公開日: 2023年3月29日
歯科矯正の治療費について、全額自己負担で高額になるイメージをもたれている方は多いのではないでしょうか?
あまり知られていませんが、歯科矯正も条件を満たせば保険適用になる可能性があります。
そこで今回は、保険適用になる歯科矯正の条件や費用についてまとめました。病院の探し方も解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
\どんな治療内容?料金はいくらかかる?こちらを要チェック!/
歯科矯正は、一部の特殊な場合を除き「自由診療(自費診療)」となります。このため、医療保険が適用されず、治療費は全額自己負担です。
自由診療では、治療費を各医院が独自に設定しています。これに対して、保険診療の治療費(保険点数)は全国どこでも一律です。
医療保険が適応される「保険診療」では、病気を治すための治療が対象となります。
しかし、歯科矯正の治療目的は歯並びの改善により、虫歯や歯周病の予防、口元の見た目をキレイにすることです。そのため、予防的な治療であることから、医療保険の対象外となってしまいます。
歯科矯正が保険適用になる場合は、つぎの3パターンがあります。
出典:日本矯正歯科学会│矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは
専門用語ばかりでむずかしいですよね。もう少しわかりやすく解説していきます。
特殊な病気が原因でかみ合わせに問題があり、矯正治療が必要になる場合の治療費は保険適用になります。
「別に厚生労働大臣が定める疾患」には、60種類の疾患とその他あご・口腔の先天異常が含まれます。
一部、具体的な疾患をあげると「唇顎口蓋裂」、「ダウン症候群」などが対象です。くわしくは、こちらをご確認ください。
前歯と小臼歯の永久歯のうち、3本以上が萌出(歯が生えること)できず、かみ合わせに問題が生じている場合の矯正費用も保険適用になります。
前歯は、前から左右3本目までの歯。小臼歯は、前から左右4本目と5本目の歯のことです。
萌出異常の原因として、永久歯が顎骨の中に埋まっていることがあります。
歯が埋まっている場合では、歯を引っぱり出す「埋伏歯開扉術」という手術が必要です。この手術前後で矯正治療を行うことがあるのですが、この矯正費用は医療保険の対象となります。
顎変形症とは、あごの骨の形や大きさの異常により、かみ合わせの異常と顔の変形などの症状がでる病気です。
遺伝的な要因が強いといわれていますが、くわしい原因はわかっていません。指しゃぶりや舌を出す癖なども原因ではないかと考えられています。
顎変形症は幼少期には気づきにくく、あごの成長とともに症状が現れます。
顎変形症では、歯列矯正だけでは歯並びを改善できないことがあり、矯正治療とあわせて、あごの骨を切る手術が行われます。この手術前後での矯正治療費が保険適用となるのです。
参考矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは | 公益社団法人 日本矯正歯科学会 (jos.gr.jp)
\どんな治療内容?料金はいくらかかる?こちらを要チェック!/
医療保険が使えると、矯正治療費は基本的に3割負担となります。かぜなどで病院を受診した時と同じイメージを持ってもらえれば大丈夫です。
ただし、保険診療を受けた場合、受診のたびに窓口で支払いを行う必要があります。この点、自由診療では矯正治療費を治療前に一括払いしたり、デンタルローンなどの分割払いを選択したりすることも可能です。
自由診療での歯科矯正治療費の支払い方法については、こちらをご覧ください。
リンク:歯科矯正費用の負担を軽くするデンタルローン・分割払いとは?
「高額療養費制度」とは、ひと月で支払った医療費が上限額を超えた場合に、その超えた分の金額を支給する制度です。保険適用になる歯科矯正治療費も高額療養費制度の対象になります。
医療費の上限額は、年齢や所得によって異なります。年収が約370~770万円のひとでは、ひと月の上限は約8万円です。この上限額を超えた自己負担額が全額支給されます。
ただし、入院時の食事代や差額ベッド代(個室代)は含まれません。くわしい制度内容は、こちらをご確認ください。
保険適用と適用外の診療を同時に行うことを「混合診療」といいます。この混合診療は原則として禁止されており、保険適用外の治療費を患者から徴収することはできません。
このため、混合診療となった場合は、保険適用の治療についても自由診療とみなされ、治療費が全額自己負担となってしまいます。
歯科矯正では、矯正中に虫歯や歯周病の治療を行うことがあります。本来、虫歯や歯周病の治療は保険適用です。しかし、保険適用外の矯正治療と同時に行った場合は、虫歯などの治療費も全額自己負担となってしまいます。
では、混合診療をさける方法はないのでしょうか?
矯正治療と虫歯などの治療を行う歯科医院を分けるという方法があります。治療する病院を分けることで、保険適用外と適用内の治療費を別々に支払うことができるのです。
矯正治療中に虫歯などが見つかった場合には、保険適用で治療できるか歯科医院に相談してみましょう。
保険診療と保険外診療の併用について|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
保険適用での歯科矯正治療は、どこの歯科医院でも受けられるわけではありません。指定医療機関の届け出をしているところに限られる点に注意してください。
【矯診】歯科矯正診断料算定
「厚生労働大臣が定める疾患」と「前歯および小臼歯3本以上の萌出不全によるかみ合わせ異常」に対する矯正治療が保険適応となる医療機関
【顎診】顎口腔機能診断料算定
「顎変形症」の手術前・後の矯正治療が保険適用となる医療機関
参考矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは | 公益社団法人 日本矯正歯科学会 (jos.gr.jp)
歯科矯正では厚生労働大臣が定める疾患など、特殊な病気でかみ合わせに異常が生じている場合に保険適用になることがあります。治療費が高額になりがちな歯科矯正ですが、保険適用であれば3割の自己負担で治療できます。
矯正治療を検討されている方は、実際に保険適用になるか歯科医院に相談されてみてはいかがでしょうか。
『WITH DENTAL CLNIC』では、歯科矯正に関する無料カウンセリングを行っています。歯並びが気になっている方は、ぜひお気軽にご相談ください!
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