公開日: 2023年4月17日
歯科矯正について、治療期間が長くかかる印象をお持ちの方は多いのではないでしょうか?
実際、矯正治療は歯を少しずつ動かすため、数ヵ月~2、3年の治療期間が必要となります。ですが、治療期間が伸びれば費用もふくらむ可能性がありますし、少しでも早くキレイな歯並びを手に入れたいのが本音ですよね。
そこで今回は、矯正治療で歯が動きやすいひとの特徴や治療期間が長くなる原因を解説します。
治療を検討されている方はもちろん、治療中の方にも気をつけてほしいポイントを紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
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最初に、歯が動きやすいひとの特徴を見ていきましょう。ここに当てはまるひとは、比較的スムーズに治療を行える可能性が高くなります。
成長期の子どもでは、歯とあごの骨も発育の途中です。そのため、小さな力でも歯が動きやすく、大人とくらべてスムーズに矯正治療を行うことができます。
悪い歯並びのことを「不正咬合(ふせいこうごう)」といいますが、原因としてあごの骨格に問題があることがあります。子どもの場合、あごの骨が成長期にあるため、骨格のバランスを整えるアプローチが可能です。一方、あごの骨が成長しきった大人では、骨格に問題がある場合は手術が必要になってしまいます。
しかし、歯が動きやすいということは、歯並びに悪い癖の影響を大きく受けるという一面もあります。舌癖や頬杖などがその代表です。
小さいころから治療を開始することは、このような癖を修正し、いい歯並びを保つ効果も期待できます。
歯科矯正では歯に力を加え、歯をおおっている歯根膜を収縮させることで少しずつ歯を移動させます。つまり、移動させたい方向に弱い力をかけると、力がかかる部分で周囲の骨が吸収され、反対側に新しい骨が作られるのです。このように、骨の新陳代謝を利用することで、歯を移動させていくのが矯正治療のメカニズムとなります。
このため、体の新陳代謝が活発に行われていると、歯が動きやすくなります。矯正治療中は、バランスのよい食事や睡眠の質を上げるように心がけるとよいでしょう。
無意識に下で前歯を押すような舌癖は歯並びを悪くする原因になります。当然、矯正治療にも悪影響です。
では、舌の正しい位置はお分かりですか?
舌を上あごの前歯のつけ根から、のどの奥の方にすべらせてみてください。少しへこんだ部分がありますよね。この場所を「スポット」といいます。舌の先がスポットにあり、舌全体が上あごにくっついた状態が正しい位置です。
舌を正しい位置にキープできないひとは、舌の筋力が弱い可能性があります。うまく矯正を進めるためには、舌癖の影響も無視できません。
舌癖がある場合には、舌のトレーニングもあわせて行うことで、スムーズな歯の移動につなげる治療が行われます。
矯正治療は患者さんの協力がなくてはうまく進みません。通院頻度、装置の装着時間、日々の歯のメンテナンスなど、医師の指示をきちんと守ることが治療期間の短縮につながります。
治療中はきちんと歯科医院に通院し、医師の指示を守るよう心がけましょう。
つぎに、矯正治療の一般的な治療期間を治療法別に解説します。
矯正の治療期間や費用については、こちらの記事もあわせてご覧ください。
リンク:歯科矯正治療の費用相場はいくら?種類別の料金の違いを紹介
ワイヤー矯正とは、歯の表面にブラケットという金属の装置をつけ、そこに細いワイヤーを通して力を加えることで歯を動かす方法です。もっとも一般的な矯正方法になります。
奥歯を含む、歯全体を矯正する「全体矯正」での治療期間は、2~3年程度が一般的です。ただし、年齢とともに長くなる傾向があり、20歳を過ぎたひとでは3年前後かかることが多くなります。
また、前歯など歯の一部を部分的に矯正する「部分矯正」の治療期間は、半年~1年程度と比較的短くなることが多いです。
矯正終了後には、歯並びの崩れを防ぐために歯を安定させる「保定」と呼ばれる治療が必要です。保定期間は2年以上が推奨されています。
十分な保定期間をとらなかった場合、歯が元の位置に戻ってしまう危険性も。再治療となることもありますので、2年は長いと感じるかもしれませんが、きちんと保定治療を行いましょう。
参考治療期間はどれくらいですか?|治療期間・費用(成人):よくある質問・何でも相談室:矯正歯科治療のお話|矯正歯科専門の開業医団体「日本臨床矯正歯科医会」 (jpao.jp)
矯正歯科治療後の保定装置は必要なのでしょうか?|保定:よくある質問・何でも相談室:矯正歯科治療のお話|矯正歯科専門の開業医団体「日本臨床矯正歯科医会」 (jpao.jp)
マウスピース矯正は、アライナー矯正とも呼ばれます。患者に合わせて作成した透明なマウスピースを、1日20時間以上装着することで歯並びを整える治療法です。
マウスピース矯正の一般的な治療期間は、全体矯正の場合2~3年程度です。部分矯正では、1年未満で終了するケースもあります。
ただし、患者の使用状況に治療結果が大きく左右されるため、装着時間などが短くなってしまうと、治療が長引くこともあるので注意してください。
また、マウスピース矯正でもワイヤー矯正と同じように保定は必要となるため、追加で2、3年の期間がかかります。
近年、歯科医院に通院せず、インターネット上でマウスピース矯正装置が販売されるケースが増えています。歯科矯正はきちんとした検査、診断をもとに行われるべき医療行為です。自己判断によるマウスピース矯正では、予期せぬ問題を引き起こすことがあります。
マウスピース矯正を希望される方は、専門的な歯科医院できちんと診察、検査、診断を受けることを強くおすすめします。
マウスピース矯正については、こちらの記事でくわしく解説しています。
リンク:マウスピース矯正できない例や歯並びとは?治療できない場合の対処方法
参考インビザラインを知る|インビザライン専門サイト|invisaDr. (invisa-doctor.jp)
公益社団法人 日本矯正歯科学会 ポジションステートメント マウスピース型矯正装置による治療に関する見解 | 公益社団法人 日本矯正歯科学会 (jos.gr.jp)
\どんな治療内容?料金はいくらかかる?こちらを要チェック!/
矯正治療で歯が移動する距離は、1ヵ月で歯冠1.0mm歯根0.5mmくらいです。強すぎる力をかけると骨や歯根にダメージがあるため、時間をかけて少しずつ動かすしかありません。
ですが、前述したように歯が動きやすいひとでは、そうでないひとと比較して治療期間を短縮することも可能です。まずはきちんと主治医の指示を守るように心がけましょう。
歯が動きやすいひとがいる一方、歯が動きにくいひとも存在します。矯正治療を検討する前に、つぎの項目に該当しないかチェックしてみてください。
無意識に歯を舌が押しているときは、想像以上に強い力がかかっています。このような癖は出っ歯の原因になるなど、歯並びに悪影響です。
舌を正しい位置(スポット)にキープできず、前歯を押し続けてしまったり、舌を噛んで口を開けたままにしてしまったりするような癖を「舌癖(ぜつへき)」といいます。
舌癖は歯並びに悪影響となりますが、矯正治療にもマイナスです。舌で歯を押す癖などがあると、矯正治療とは別の力が歯に加わってしまいます。結果的に、矯正の力をさまたげてしまうのです。
舌癖の原因としては、舌の筋力不足などがあげられます。このような場合、舌のトレーニングを行い、舌を正しい位置に置けるようにすることで、スムーズな歯の移動につなげる治療が行われます。
集中しているときなどに、強く噛む癖はありませんか?
このような癖も歯が動きにくい原因のひとつです。歯を食いしばることで歯に垂直な力がかかり、歯を平行に動かそうとする矯正の力を邪魔してしまいます。
前歯の噛み合わせが深い「過蓋咬合(かがいこうごう)」という不正咬合は、噛んだときに下の歯が隠れてしまう特徴があります。過蓋咬合は強く噛む癖が原因となることがあり、歯科矯正で歯が動かしにくい症例のひとつです。
歯の土台となる歯槽骨と歯根の間には、歯根膜という繊維状の膜があります。この膜がクッションの役割をしているのです。矯正治療では、歯根膜の収縮を利用して歯を動かします。
ですが、まれに歯根膜が失われ、歯根と歯槽骨が直接くっついてしまうことがあります。これが「アンキローシス」です。「骨性癒着(こつせいゆちゃく)」とも呼ばれます。外傷や骨代謝の異常が原因となることが多いようですが、原因不明な場合もめずらしくありません。
アンキローシスがおこった歯には収縮する歯根膜が存在しないため、矯正治療で力を加えても歯はまったく動きません。初期のアンキローシスはレントゲンでの診断がむずかしいため、矯正を開始後に判明することもあります。
このような場合、動かない歯を考慮して治療計画をたてます。制限はかかりますが、矯正は可能ですのでご安心ください。
参考アンキローシス(骨性癒着)で歯が動かない? 矯正治療方法・診断・検査とは | 矯正歯科ネット (kyousei-shika.net)
矯正治療で知っておきたい、歯の構造や移動のメカニズムと治療リスク|ドクターズブログ|舌側矯正のアイ矯正歯科クリニック (ai-kyosei.or.jp)
少しでも矯正期間を短くするには、どのようなポイントがあるのでしょうか?
ここでは4つのポイントをご紹介します。
歯科医師は国家試験に合格し歯科医師免許をもっていますが、全員が矯正歯科治療を行えるわけではありません。歯科医師が矯正治療を行う場合、歯科大学矯正歯科で専門的な技術を身につける必要があります。矯正歯科は一般歯科と分野が大きく異なるため、高い専門性が要求されるのです。
また、日本には約10万人の歯科医師がいますが、そのなかで矯正治療を行っているのは約3万人です。このなかで「日本矯正歯科学会」の資格試験に合格した認定医は、2,500人程度にとどまります。さらに、認定医のなかでも高いレベルの資格認定をパスした臨床指導医は、約300人しかいません。
矯正歯科医の受けた教育、研修を考えると、日本矯正歯科学会の認定医は質の高い治療を提供できる信頼性があるといえるでしょう。
日本矯正歯科学会の認定医、臨床指導医はこちらから検索いただけます。
リンク:認定医・臨床指導医名簿一覧|公益社団法人 日本矯正歯科学会
参考矯正歯科治療について:矯正歯科治療のお話|矯正歯科専門の開業医団体「日本臨床矯正歯科医会」 (jpao.jp)
矯正治療をスムーズに進めるうえで一番重要なことは、医師の指示を守ることです。歯科矯正は患者さんの協力なしには成功しません。
このような決まりをきちんと守ることが、キレイな歯並びを手に入れる近道なのです。矯正治療は長期計画となりますが、医師と二人三脚で治療に取り組みましょう。
舌の癖は歯並びに大敵です。舌癖が治療をさまたげると判断された場合は、矯正治療と同時に舌のトレーニングが行われます。
舌癖を直し正しい位置に置く訓練をすることで、よりスムーズに歯が動く効果が期待でき、治療期間の短縮につながるのです。
装置をつけるだけで矯正できるという印象をお持ちの方も多いかと思います。しかし、舌のトレーニングなども矯正には欠かせない治療です。
矯正効果を高めるためにも、舌にも意識を向けるようにするとよいでしょう。
前述したように、歯科矯正では骨の新陳代謝を利用することで歯を移動させます。矯正治療中は骨の吸収と発育をうながすためにも、食事や睡眠などの生活習慣を見直しましょう。
ただでさえ長期になりがちな歯科矯正ですが、さらに治療期間をのばす原因はなんでしょうか?
ここからは、矯正期間がのびてしまう原因をご紹介します、
マウスピースは取り外しができるため、歯みがきに支障はありませんが、ワイヤーでの矯正治療中は歯についた装置が邪魔となり、歯みがきがむずかしくなります。矯正中に虫歯や歯周病になってしまうと、一度矯正治療を中断せざるを得ない場合もあり、治療期間が長くなる原因となることも。そのため、矯正治療には普段のメンテナンスが欠かせません。
歯科医院では、矯正治療前に十分な歯みがき指導を行います。自分がみがき残しやすいポイントを理解し、普段から意識的にみがくよう心がけましょう。
また、矯正用の歯ブラシや円錐型の歯間ブラシも売っていて、装置周辺のブラッシングに有用です。食事のあとは必ず歯をみがく習慣をつけ、粘着性のある食べ物はさけることもお願いします。
参考矯正歯科治療について | 公益社団法人 日本矯正歯科学会 (jos.gr.jp)(Q&A F-3)
マウスピース矯正は装置の装着時間が治療効果に大きく影響します。また、ワイヤー矯正でも寝ている間にヘッドギアなどを装着し、口の外から力をかける場合もあります。
医師の指示通りに装置を装着しなかった場合、予想以上に治療期間が長くなる可能性が高くなります。マウスピースやヘッドギアなどは忘れずに装着してください。
前述したように、歯科矯正には高い専門性が求められます。スムーズな治療を受けるためには、信頼できる技術と経験をもった歯科医院を選ぶことも重要です。
日本矯正歯科学会の認定医、臨床指導医は、質の高い矯正治療を提供しているスペシャリストです。
歯科矯正で歯が動きやすいひとの特徴は、つぎの4点です。
矯正治療で歯が移動する距離は、1ヵ月で歯冠1.0mm歯根0.5mmくらいと小さいです。そのため、一般的に2~3年と長い治療期間が必要となります。
しかし、歯が動きやすいひとでは、治療期間を短縮することも可能です。スムーズな治療のためには、きちんと主治医の指示を守り、日々のメンテナンスもきちんと行いましょう。
また、歯科矯正は一部を除き、治療費が全額自己負担です。そのため、歯科矯正は高いというイメージをお持ちの方も多いかと思います。
しかし『WITH DENTAL CLNIC』では、保険適用外歯科クリニック≒高額というアタリマエを変えて、「高品質・低価格」での治療を提供しています。
もちろん、矯正治療についての無料カウンセリングも行っています。長い治療期間が不安な方はぜひ一度ご相談ください。あなたに合った矯正プランをご提案いたします!
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