公開日: 2023年5月1日
「親知らず」とは、前歯から数えて8番目の奥歯のこと。医学的には「第3大臼歯」になります。
通常、永久歯は12歳頃にほぼ生えそろいますが、親知らずは20歳頃、人によってはもっと遅く他の歯より遅れて生えてくるのが特徴です。
また、親知らずは全ての人に見られるわけではありません。遺伝的に生えてこないこともあります。親知らずが生えてこなくても、特に心配することもない体質なのです。
「親知らず」という名前の由来は、文字通り、親に知られることなく生えてくる歯ということから。
親知らずは上だけの人、下だけの人、全部生える人と、人によって本数に違いがあります。通常は上あごの左右に2本、下あごの左右に2本と計4本あります。
ただ、親知らずは一番最後に生えてくるため、さまざまな影響を及ぼす可能性が高い歯。上下の親知らずがうまく噛み合っていれば何も問題はありません。
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親知らずの生え方の種類は4タイプあります。
・まっすぐに生えているタイプ
・斜めに生えているタイプ
・完全に埋まっているタイプ
・逆向きに生えているタイプ
それぞれの親知らずの生え方の種類をここからご紹介します。
ほかの歯と同じようにまっすぐきれいに並んで生えてくる親知らずは、他の歯にダメージを与えません。
上下がしっかり噛み合わせができれば何も問題はありません。
さらに、まっすぐ生えていることで歯ブラシも届きやすく、虫歯や歯周病のリスクも少なくてすみます。親知らずの歯茎も炎症を起こしてしまうことも少ないでしょう。
ただ、親知らずがまっすぐに生えてくるケースはさほど多くはないのです。
もし、問題なくまっすぐ生えてきても、成長や口腔環境の変化により、移動する可能性もあり、歯科医師に確認してもらうといいでしょう。
横向き、または斜めに生えてくるタイプです。
まっすぐに生えていないため、隣の歯にぶつかるようになっているため、一部分だけしか現れていないことが多いケース。
そのため、歯ブラシが届きにくく、磨き残しが溜まって虫歯や歯周病の原因となってしまいます。
さらに抵抗力が落ちたときに、細菌が急増し炎症を起こしてしまうこともあります。すると歯茎が腫れ上がり、触ると頭までズーンと痛くなる痛みに襲われてしまいます。
また、斜めに生えている親知らずを放置しておくと、手前の歯に磨き残しが溜まってしまって虫歯になってしまうこともあります。早く親知らずを抜歯しておくと虫歯防止になります。
ですから、親知らずが斜めに生えている人は虫歯になっていない内に、歯科医院に行くのがおすすめです。
歯茎の中で横向きに倒れてしまっているため、完全に埋まっている状態のタイプの親知らずです。これでは、親が知らないどころか、本人さえ気づきません。
取りあえず、表面に出ていれば気づきますが、出ていなければ確認することすらできません。しかし、歯科医院でレントゲンを撮ったときに初めて見つかるケースがほとんどです。
表面に出ていないので汚れもたまらないので、虫歯や歯周病を引き起こすこともありません。しかし、骨の圧迫をすることもあり、トラブルの原因となる可能性もあります。
逆さに生えている場合は完全に埋まっているタイプと同様です。虫歯や歯周病のリスクは低いものの、骨の圧迫をすることもあり、トラブルの原因となる可能性もあります。
そのままにしていても問題ない場合もありますが、痛みを感じたり腫れたりした場合は抜歯を検討する必要があります。
まず、年齢を重ねるにつれて骨や歯は硬くなっていきます。そのため、親知らずを抜くタイミングが遅くなるほど抜歯に時間がかかるようになります。さらに抜いてる最中に歯が折れてしまうこともありますし、回復力も衰えてきます。
20代であれば回復力が高いため、傷口の治りが早く、痛みや腫れも長引きません。しかし、年を取るほど回復までに時間がかかります。
親知らずの根元には大きな神経が通っています。抜歯したときに神経に触れて損傷してしまうと、麻痺を引き起こすこともあります。この場合の麻痺とは、唇や下、顎のしびれ、知覚の鈍化といったもの。発症確率は1%程度で短期間で治ることもありますが、場合によっては回復までに1〜2年程かかることもあります。
歳を取ると病気によるリスクも高まります。
今や日本人の5人に1人は糖尿病、3人に1人は高血圧です。
厚生労働省が行った平成28年「国民健康・栄養調査」によると、糖尿病有病者と糖尿病予備群は合わせて約2,000万人いるといわれています。(参考;厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177189.html)
年齢別にみると、男女のいずれも年齢が上がるにつれて上昇しています。男性の50歳代で14.6%、60歳代で19.8%、70歳以上で25.7%、女性の50歳代で5.1%、60歳代で10.8%、70歳以上で19.8%。
実は糖尿病や高血圧は血が止まらなくなる場合があるため、たとえ痛みがあっても、歯が抜けないと断られる場合もあります。
このようなさまざまな理由から親知らずは早めに抜いた方が良いと言われているのです。
日本人は顎の骨が小さいため、親知らずが生えてくるスペースが不足しているため、多くは斜めや横向きに生えてきます。
満員なのに横から無理矢理入ってくれば、飛び出してしまうのは当たり前です。
当然、斜めに生えてくれば、隣の歯への影響が出てきてしまいます。当然隣の歯を横から圧迫してしまうので、痛みを伴う、隣の歯が傾いてしまうといった症状が出てくることがあります。
奥歯はただでさえ、磨きにくいもの。その上、斜めや横向きに生えてきた親知らずは、歯ブラシがどうしても届きづらいため、虫歯や歯周病を発症してしまう可能性があります。
さらに親知らずだけでなく、その手前の歯まで影響が及ぶ場合もあります。
また、生えかけの親知らずは、頭だけが出ているため、うまく歯磨きができません。そのため、歯茎が炎症を起こしやすいのです。痛みもないのでそのまま放置していると、手前の歯までもが歯周病になってしまうこともあります。
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親知らずがまっすぐに生えてくればいいのですが、たいてい生えるスペースがないため、強引に顔を出し、結局斜めになってしまいます。
理由は、近年、日本人の顎は小さくなっていく傾向にあり、それに伴い、親知らずがて生えるスペースが狭くなってしまっているためです。斜めや横向きに生えてしまうことで、手前の歯をぐいぐいと押していきます。その結果、知らないうちに歯並びが悪くなってしまったということもあります。
このように親知らずは、斜めや横向きといった生え方によっては歯並びを乱す原因になります。
親知らずは大きい歯です。しかも、痛みはハンパないと周囲に言われてしまうと誰もが迷ってしまうもの。
しかし、以下のような理由から抜いたほうがいいと歯科医師にすすめられることがあります。
1、噛むのが難しいため
2、虫歯や歯周病になっているため
3、痛みが出ているため
4、手前の歯に影響してしまうため
ここからは親知らずを抜く、メリット・デメリットを見ていきましょう。
まずは、メリットから見ていきましょう。。
親知らずはどうしても歯ブラシが届きにくいため、虫歯や歯周病になりやすくなってしまいます。特に斜めや横向きに生えている場合はさらにリスクが上がります。
親知らずは奥歯の奥ですから、歯ブラシを口の奥まで入れ込まないとうまく磨くことができません。何となく歯ブラシを動かしても、まったく磨けていない事が多いのです。さらに親知らずが横向きや斜めに生えているため、歯ブラシをあてるのはなかなか難しいもの。
親知らずを抜くことで、歯磨きをしやすくなります。それは同時に虫歯や歯周病になるリスクを減らすことができるということにつながります。
親知らずが虫歯になったり歯周病になってしまったら抜歯することで解決します。しかし、親知らずのせいで生涯使う必要がある隣の奥歯までが虫歯や歯周病になるのは、許せません。親知らずを抜くことで大切な奥歯を守ることができるのです。
口臭は鼻や咽、呼吸器系の病気などが原因の場合もありますが、そのほとんどは口の中に原因があります。口臭の原因は、歯周病、歯垢、歯石などです。
上記したように、親知らずがあると邪魔で磨き残しが出やすくなり、虫歯や歯周病などの歯のトラブルが起きやすくなります。
まず、周辺の歯茎が腫れて炎症を起こします。これが繰り返し引き起こされると膿が出て、口臭の原因に。
このように親知らずを抜くと口の奥までしっかり磨けるようになるので、炎症を引き起こすこともなくなり、口臭予防になります。
親知らずがどうして、肩こり解消になるの? と疑問に思われるでしょうが、実は口中の環境は全身に影響を与えることで知られています。
親知らずが横を向いたり、斜めを向いたりしていると、とうぜん噛み合わせや歯並びのバランスが悪くなります。体は全身のバランスを保とうとするため、首や肩が緊張状態となって肩こりが起こります。
親知らずを抜くことで緊張状態が解消され、リラックス状態になり、肩こりが治ることがあります。
上の親知らずは鼻に近い位置にあります。虫歯になり、歯根まで到達していると副鼻腔まで感染し、頭痛や鼻づまりを引き起こす原因になります。親知らずを抜き、虫歯を治療すると改善する可能性があります。
このように親知らずは歯周病や虫歯を起こす原因になるだけでなく、歯並びを悪くしたり、顎関節症の原因になることもあります。親知らずを抜いてしまえば、トラブルを未然に防ぐことができます
次にデメリットも見ていきましょう。
抜歯をしている間は麻酔をするため、痛みは感じません。しかし、麻酔が切れると痛みを感じやすいです。場合によっては、大きく腫れが出ることもあるので、歯科医院から処方される抗生物質、痛み止めを飲んで和らげます。
親知らずは大きな歯なので、抜いた後には痛み、腫れ、出血といった症状が起こります。どうしても舌で触ってしまいますし、その度に血の味がして、口の中はしばらくの間、かなり不快です。さらに1週間くらいはものを食べるのが不便になります。人によっては顔が大きく腫れることもあります。
親知らずが深い位置に埋まっている場合もあります。親知らずの下を通っている大きな神経や血管を傷つけてしまうことがあり、まれに神経麻痺や大量出血を起こすことがあります。しかし、事前にレントゲンやCT検査を行い、歯の位置を正確に把握しておくことで防ぐことができます。
親知らずは、将来的にブリッジを支える歯として使えたり、親知らずを移植することができます。このため、親知らずを抜いてしまうと入れ歯・ブリッジの土台が減ってしまうことになります。
親知らず抜歯後にマウスピース矯正装置をつけるタイミングに決まりはありません。
抜歯をした次の日でもマウスピースをつけることはできます。しかし、抜歯後は出血や腫れがあったり痛みを感じやすいもの。
さらにマウスピース矯正装置を付けると、歯が動く時にいつも以上の痛さは辛いかもしれません。「抜歯の痛み」+「矯正装置の痛み」とストレスは倍。
では、親知らず抜歯後のマウスピース矯正はできるのでしょうか。ここからはマウスピース矯正について見ていきます。
矯正は反発力を応用して歯を少しずつ動かしていきます。ところが、斜めの親知らずが隣の歯を押している状態のまま矯正装置を装着しても充分な効果は得られません。親知らずによって動きが変えられてしまうことになるので、マウスピースの作りなおしも必要になってしまうのです。
親知らずが斜めに生えてしまう原因はスペース不足。矯正治療で抜歯するのは珍しくありません。スペースを確保するために親知らずを抜歯することになることも多いのです。実は、親知らずがなくなっても困らないというのがその理由です。
ただし、親知らずがまっすぐでスペースもある場合は、積極的な抜歯はしないのが一般的です
矯正治療には必ず後戻りのリスクがあります。しかし、斜めや横向きに生えている親知らずが隣の歯を押しているような状態では、せっかく矯正した歯まで影響を及ぼします。このような場合は後戻りの原因になってしまうため、抜歯をすすめられます。
マウスピース矯正を行うのに、親知らずを抜いた方が良いと判断した場合、親知らずの抜歯に伴うリスクとマウスピース装着時の注意について解説します。
斜めに生えてしまったり、歯茎に埋まっている親知らずが痛みを伴うのは、その周辺の歯茎が炎症を起こしていると考えられます。とうぜん、抜歯により痛みは強くなります。
また、上の親知らずを抜歯したときの腫れはほとんどの場合は軽めですが、下の親知らずは数日後に腫れのピークがくることがあります。ただし、1週間以上腫れが引かない場合は施術を受けた医院で診てもらうようにしましょう。
親知らずの抜歯は他の歯と比べて出血量が多くなります。口の中はもともと血が止まりにくいものです。人によりますが、数日間、出血が続く場合があります。必ず、処方された抗生物質などを服用するようにしてください。
親知らずの抜歯は複雑な手術ほどダメージが残ってしまいます。そのため、マウスピース矯正をする前段階で親知らずを抜歯した場合は、出血や腫れや痛みなどがなくなった時点で矯正治療を始めます。
ところが、表面上の傷口や腫れが収まったように思えても、深部はまだまだ修復中。そのため、マウスピースを装着したことで親知らずの抜歯跡の痛みが再発してしまうケースもあります。痛みがひどいときはすみやかに受診するようにしましょう。
マウスピース矯正を行う場合、最適な抜歯時期がある場合もあります。ですから、斜めを向いたり、横を向いた親知らずがある場合は、矯正を始める前に行うのがおすすめ。
抜歯から1~2日程度は傷口が安定しないので、血が付いてしまいますが、痛みがなければマウスピースを装着してもだいじょうぶです。
マウスピース矯正をしたいけれど、「親知らずを抜いたほうがいい」と以前言われてたことがある人は、いつがベストなのかをWITH DENTAL CLINICへ相談してみましょう。無料カウンセリング予約も受け付けています。まずはホームページを見て、どのような施術が受けられるのかを確認してみてください。
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