公開日: 2023年5月1日
前歯は上下それぞれ6本ずつ。合計12本です。
前歯は口を開ける度に見えてしまうので、どうしても目立ちます。そのため、前歯がきれいに並んでいるかどうかで、印象がガラリと変わってきます。歯並びを治す時に有効といえば矯正です。
しかし、矯正というと歯全体を固定するというイメージがありますが、前歯だけを矯正する方法はあるのでしょうか? ここからは前歯を矯正する方法について解説していきます。
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「歯並び、もう少しきれいだったら…」と思った事は誰でも一度や二度はあるはずです。
歯並びといえば「矯正」ですが、矯正というと、銀の針金ギラギラというイメージが強く、さらにいくらかかるんだろうかととたんに不安になってしまうものです。
そもそも歯科矯正とは歯並びを整えて、噛み合わせを治す治療のことです。受け口・出っ歯・歯がガタガタと人によって悩みはさまざま。さらに歯並びが悪いと見た目が悪いだけではなく、健康を害することもあります。
噛み合わせが悪いと、どんな悪影響があるのでしょうか。
まず、食べ物をしっかりと噛むことができません。味わって食べることができず、胃腸にも負担がかかります。さらに重なっている歯があると、歯磨きをしてもうまく歯ブラシがあてられず、磨き残しが出てきます。するとどうしても虫歯や歯周病のリスクが高まってしまうことになります。
「歯周病は万病の元」と言います。中でも歯周病と糖尿病との関連はエビデンスが高いものとして知られています。
歯周病が引き起こすのは糖尿病だけではなく、心疾患や慢性腎臓病、呼吸器疾患、癌…と全身に悪影響を与えてしまうのです。
参考:厚生労働省「口腔の健康状態と全身的な健康状態の関連」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-01-006.html
歯列矯正はいくつか種類があります。大きく分けると「全体矯正」と「部分矯正」に分けることができます。
全体矯正とは、その名の通り歯を口の中の歯を全体的に動かす矯正方法のことです。
前歯しか動かせない部分矯正と違って、全体矯正は奥歯から動かすことができるため、見た目だけでなく、噛み合わせに不具合がある場合でも対応することができます。邪魔な歯を抜いたり、奥歯をさらに奥側に動かしたりすることができるので、理想的な口元を作ることができます。
部分的な歯を治したいと思っても、傾斜が大きいなどの理由から全体的な治しが必要なこともあります。しかし、噛み合わせを変えることで、しっかりと噛めるようになります。これは全身的な健康にもつながります。
ただ、全体矯正は動かす歯が多いので部分矯正よりも期間が長くなる、費用が高いというデメリットもあります。また、歯全体となるとかなり大がかりになるので、十分に説明を受けることが重要です。
部分矯正は基本的に、笑ったときに見える前から数えて3番目の歯までを矯正することが多い方法です。
前歯は八重歯から反対側の同じ歯までの6本のことを言い、上下合わせると12本になります。もっとも目立つ上の前歯4本を治療するのが一般的です。
ただし、部分矯正で対応が可能なのは比較的軽い症状のみ。たとえば、前歯がねじれている、歯の隙間が気になるといった症状には部分矯正が有効です。
また、歯並びの印象は前歯で決まるため、前歯だけでも治したいという人が多くなったのです。ある程度前歯が治れば見た目が良くなるので十分という人におすすめの矯正方法です。
ここからは部分矯正のメリット・デメリットを見ていきましょう。
部分矯正のメリットは3つあります。
1.治療期間が短いこと
治す部分が数本と限られていますし、また、前歯は奥歯よりも比較的動きやすいとされているため、治療期間は短くなります。
2.費用が安いこと
治療期間が短く、矯正装置も小さいため、費用も安く済みます。治療法や器具にもよりますが、10万円から部分矯正を行っている歯科医院もあり、全体矯正と比べればおおよそ半分ほどでできます。ちなみに部分矯正の費用相場は約30~60万円ほどです。
3.負担が少ないこと
矯正装置が一部しかついていないので、食事や会話のストレスも少なくなります。また、動かす歯の本数も少ないため、個人差はありますが痛みも部分的で済みます。
部分矯正のデメリットは3つあります。
1.軽い症状のみしか治せないこと
部分矯正は、前歯がデコボコで揃っていないのを治すことはできますが、噛み合わせを治すことはできません。
2.抜歯することも
前歯が重なっている場合、きれいに並ばせるためにはスペースが必要になります。そのため、スペースがない場合は、本来抜く必要がない歯まで抜歯する歯科医院もあります。
3.咬み合わせは改善できないこと
部分矯正は前歯だけの治療なので、いわばただ見た目だけの改善でしかありません。そのため、食べ物を良く咬む、発音がきれいになるなどの改善はできません。
部分矯正は、気になる部分だけ治したい人向きです。たとえば、上の前歯4本だけを矯正しても、見た目を大きく変えることができます。ただ、部分矯正は矯正範囲が狭いため、治療できる歯並びは下記のような一部の歯並びだけです。
前歯のみのデコボコや、八重歯が目立っている歯並びは部分矯正で治りますが、ただ、重なりが強いときは全体矯正が必要となります。
歯と歯の隙間が開いている「すきっ歯」は、隙間を埋めるように歯を動かして矯正していきます。隙間がなくなれば、口元が整った印象へと変わりますし、食べ物もはさまらなくなり、同時にストレスも解消されます。
前歯があっちこっちを向いてねじれている場合も部分矯正ができます。ねじれて重なっているところは、よく磨けず虫歯や歯周病の原因になりますが、これを治すことで病気予防にもなります。
歯が少し前へ出ている、前歯が前方に傾いているといった軽度の出っ歯も部分矯正の範囲内。傾きを少しづつ治して整列させることができます。
歯のコンプレックスを持っている人が、部分矯正をすることでメンタルにも良い影響を与えてくれます。
笑顔に自信が生まれる
前歯が原因で、人前で口を開けることに自信が持てないという人もいます。部分矯正で口元を整えることで自信が生まれ、明るい雰囲気になります。
歯磨きがしやすくなる
歯が重なっていると、どうしてもよく磨くことができません。そのため、虫歯や歯周病のリスクが高まってしまうのです。そろえることで歯磨きがしやすくなり、病気のリスクも低下します。
口の開け閉めがラクになる
八重歯が出ていたり、前歯1本が飛び出ていると、口を開ける度に唇に引っかかってしまいます。口の開け閉めにも関わるので、これを治すことで口の開け閉めがラクになります。
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部分矯正のメリットは以下の通りです。
部分矯正は歯を動かす範囲や本数が少ないのが特徴。そのため、全体矯正では1~3年ほどかかりますが、部分矯正は2ヶ月~1年程度と全体矯正に比べて矯正期間が短かくてすみます。
部分矯正は本数が少ないので費用を抑えられるのも大きなメリットです。矯正治療の目安は、全体矯正で60万〜170万円程度、部分矯正で10万〜70万程度。ただし、自由診療になるため、歯科医院によって費用は異なります。
本数が少ない分、目立たずに矯正することができます。
矯正は歯を動かす治療なので、痛みを伴います。歯を動かせる範囲や本数が限られているため、歯が動くときの痛みも抑えられるでしょう。ただし、痛みの感じ方には個人差があります。痛みがひどい時は、早めに相談するようにしてください。
状態によっては前歯部分矯正ができないケースがあります。部分矯正のデメリットは以下の通りです。
部分矯正で治せるのは、軽度の出っ歯、前歯のガタガタ歯並びといった軽度の歯の乱れと決まっています。重度の場合は、部分矯正ができません。
上下の歯がしっかりと合わさり噛むことではじめて機能するのが歯です。しかし、部分矯正だけではこの噛み合わせの調整ができないケースがあります。
実は、噛み合わせの改善が必要なのに部分矯正を行ってしまうと、歯のバランスが崩れてしまうことになります。食べ物が噛みにくくなる、肩こりが生じたりと、口だけでなく体全体に不調が生まれる原因にもなります。
ガタガタの歯並びや出っ歯は、歯を並べるスペースが足りないことがあります。その場合、収まるように削ることがあります。
部分矯正は矯正したい歯に矯正装置を付けて、力を加えることで歯を動かしていきます。歯を固定することで、初めて整えることができるのです。
前歯だけの部分矯正の場合、以下のように3つの方法があります。
マウスピース矯正は、マウスピースをつけて歯を動かしていく方法のこと。オーダーメイドのマウスピースを、歯並びの改善の段階に合わせてつけ替えていきます。完了までに使用するマウスピースは歯並びなどによって異なってきます。
ワイヤーは使わずに透明のマウスピースを矯正装置として使います。目立たずに矯正ができるため、最近よく使われるようになった矯正方法です。
方法は、1日20時間以上、1週間〜10日ごとに新しいマウスピースに交換しながら少しずつ歯を動かしていきます。治療期間は、2ヶ月~1年程度です。歯科医院によっては、奥歯を動かさず、前歯部分だけを動かす「インビザラインgo」、気になる歯を動かす「インビザラインエクスプレス」が使われます。
矯正というと銀色のワイヤーをイメージするほど誰もが知っているのが、このワイヤー矯正です。昔はこの方法しかなかったため、見た目が気になって矯正したくてもなかなかできなかった人も多いと思います。
ワイヤー矯正は、歯の表面に「ブラケット」と呼ばれる矯正装置を取り付けてワイヤーを通し、動かしたい方向に適切な力をかけることで歯を移動させていく矯正方法です。歯の表側に装置を着けるため「表側矯正」とも呼ばれています。
部分矯正では前歯の4〜6歯に装置をつけて歯を動かしていく方法を取ることが多いです。また、ワイヤー矯正には歯の表面に装置をつける「表側矯正」と歯の裏側に装置をつける「裏側矯正」の2つがあります。見た目を気にせず、手軽に矯正にチャレンジできます。治療期間は人によって違ってきますが、1年〜3年程度です。
また、ワイヤー矯正は歯と歯の重なり、隙間、傾きが大きい人向き。マウスピース矯正に比べて治療期間が短い傾向にあります。20世紀初頭から用いられている方法なので安心できる方法とも言えます。
見た目がどうしても気になるという人は、ブラケットに透明や白色のプラスチックやセラミックを使ったものをチョイスする手があります。透明なので目立ちにくく、またホワイトワイヤーを選べば、さらにわかりにくくなります。
歯の裏側にブラケットを取り付けてワイヤーを通し、動かしたい方向に適切な力をかけることで歯を移動させていきます。装置を歯の裏側につけるので、周囲に気づかれずに歯並びをきれいにすることができる矯正方法です。裏側矯正は「リンガル矯正」とも呼ばれます。
では、表側に付ける方法と見た目以外にどのような点が違っているのでしょうか。
実は歯は弓なりに曲がっています。ということは隣り合った歯と歯の間の距離が、表側に比べて裏側の方が短くなっています。そのため、ワイヤーの長さも短くなり、より強い力がかかりやすくなるのです。強い力がかかると当然、痛みも出やすくなります。
そのため、表側よりも弱い力で動かす必要があります。
さらに出っ歯や受け口といった場合、裏側矯正で治療を行うと、内側に引っ張る力が強いので、効率的に歯を動かせます。
裏側矯正の一番のメリットは、口を開けても装置が見えないことです。見えてしまうと、余計気になりますが、気づかれずに済むので精神的な負担がありません。
裏側矯正を行うためにはメリットだけではなく、さまざまなデメリットも知っておかなければなりません。不安を解消した上で、治療を始めましょう。
部分矯正は、前歯上下12本を中心に矯正できる方法です。1本からでも始められるため、矯正へのハードルが低く、始めやすいのが特徴です。
部分矯正は、気になる前歯だけ治したい、短い期間で歯並びを整えたい人、費用を抑えたい人におすすめです。
ただし、部分矯正はすべての歯並びには対応できません。状況によっては、部分的に治すだけでは改善されないこともあります。そのため、部分矯正をしてみたいと思っても、そうはいかない場合もあることを覚えておきましょう。部分矯正ができるかどうかを正確に知るためには、歯科医師の診断が必要となります。
今回は部分矯正について詳しく解説しました。前歯をそろえてきれいにしたいと思ったら、ぜひ、WITH DENTAL CLINICへ相談してみましょう。無料カウンセリング予約も受け付けています。まずはホームページを見て、どのような施術が受けられるのかを確認してみてください。
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