公開日: 2022年12月27日
反対咬合(受け口)を放っておくと、噛み合わせが悪くなったり、発音しにくくなったり、さらに悪化してしまうことがあります。反対咬合は、幼い時に治療を行うと簡単に治すことができます。日ごろの習慣を改めることで、反対咬合の防止に努めましょう。
今回は、反対咬合を自分で治せるのかという疑問にお答えし、原因や正しい治療方法を詳しく解説しますので、自分の状況や家族の状況と照らし合わせてお読みくださいね。
記事を最後まで読んでいただき、反対咬合についての理解を深めていきましょう!
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反対咬合(はんたいこうごう)は、別名で下顎前突(かがくぜんとつ)、受け口とも言われています。咬合=上の歯と下の歯が接触することです。通常上の歯と下の歯が咬合した時、上の歯が下の歯よりも前に出てきますが、反対咬合の場合は、下の歯が上の歯より前に出てきます。
下顎前突の方が漢字通りで分かりやすいですね。下の歯が上の歯より前に出てくることによって、顎が突き出た横顔になったり、食べ物を噛みきる力が弱くなったりします。見た目はもちろん機能的にも不具合が生じるので、できるだけ治した方がいい症状の1つです。
反対咬合の原因は様々です。遺伝などの避けられないような原因と、成長の過程に原因があります。原因を知ることによって今後の対策にも繋がります。詳しく見ていきましょう。
反対咬合の原因の1つが、「骨格的な遺伝]です。子供は、よく両親と顔の形が似ていることがあります。両親が反対咬合だった場合、反対咬合が遺伝することも。
また、歯並びが遺伝することもあります。上顎と下顎が正しい位置にあったとしても、上の歯が内向きに生えてきたり、下の歯が外向きに生えてきたりすると反対咬合になっている可能性があります。
通常であれば上顎から先に成長し、それに追って下顎が成長します。上顎の成長が遅かったり、不十分だったりすると、下顎が成長し反対咬合の形に。
下顎の成長が著しくなる理由の1つとして、舌の位置が関係していることがあります。通常であれば舌が上の歯の根元にピタッとくっつきますが、癖やなんらかの理由で下の歯の後ろに舌を置くようになっていると、下顎の成長を促進させてしまいます。
寝ている時やマスクの時、口が開いている方はご注意ください。口呼吸の方は反対咬合になりやすいです。口呼吸だと、本来鼻呼吸で使うはずの鼻と上顎の筋肉や成長が不十分になってしまいます。その結果、下顎の成長が促進され、反対咬合に繋がります。
また、口呼吸は鼻呼吸よりも空気を取り入れる力が弱いため、より多くの空気を取り込もうと舌を下げて気道を圧迫します。圧迫された気道が、気道を広げるために下顎を前に突き出すので、反対咬合を促進することになります。
口呼吸は反対咬合を誘発させる他、喉が乾燥して暖房などで風邪をひきやすいことや、口臭が発生しやすくなるため、早めに治したい癖の1つです。
前歯の生えてくる位置が問題で、反対咬合に繋がることがあります。上の歯が内向きに生えてきたり、下の歯が外向きに生えてきたりすると、下の歯が上の歯より前に出ているのでそのまま反対咬合になります。前歯が生えてくるのが6歳前後ですので、この頃から気を付けておくことが重要です。
舌が短いと反対咬合になりやすいです。口を閉じたとき、通常であれば舌が上の歯の根元にピタッとくっつきますが、下が短い場合上の歯の根元に届きません。そうなると、上の歯を押す存在がなくなるので、上顎全体が後退してきます。結果、反対咬合に繋がりやすくなります。
幼い時、骨や筋肉は柔らかく未発達のため、ささいな癖が、骨や筋肉の発に影響することがあります。唇を吸う癖や、片方だけで行う頬杖、下顎を前に出す動作などを行っていると、反対咬合になりやすくなります。癖は長く続くと辞めることも難しくなるので、早い段階でお医者さんに相談することが重要です。
反対咬合は症状が出ていないと、何も問題はないように思われがちですが、症状が出てからだと遅いです。見た目はもちろん、普段の生活にも支障をきたします。放置したらどうなってしまうかを知り、危機感を得ることが大事です。
通常であれば、下の歯の生えてくる範囲を上の歯が覆って制限しています。それによって下の歯が右往左往に生えてくるのを防ぐことができます。
下顎が突き出しており、下の歯の生える範囲が広がると、歯が斜めに生えてきたり、隙間を空けて生えたりする原因に。反対咬合が歯並びを悪くする要因となってしまいます。
嚙み合わせが悪くなると、咀嚼する時に無理な力がかかってしまいます。また、それを放置していると無理な力をかけていたために歯並びがどんどん悪くなり、次第に奥歯で噛みきれなくなります。
食べ物をしっかり噛まずに飲み込んでしまうと、胃に負担がかかり別の病気へ繋がることも。最初は嚙み合わせだけの問題が、別の病気へ繋がってしまいます。
舌の位置が、反対咬合によって通常とは異なる位置にあるので、発音がしにくくなります。特にサ行が言いにくくなるので、舌っ足らずだとか、活舌が悪いと思われる可能性があります。
反対咬合のまま放置していると、下顎にかかる力が顕著になるため、さらに下顎が発達する可能性があるでしょう。最初は上の歯と下の歯がおなじぐらいだったけれど、下の歯がだんだん前に出てくる方もいます。早期の治療をおすすめします。
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「反対咬合を治してよかった!」という声しか聞きません。
反対咬合によって下顎が付き出て三日月のようになっている人も、治療によってそれを抑えることができます。美容外科で二重にしたり、ボトックス注射をしたりすることよりも、反対咬合を治す方がインパクトもあり、変化率が高いです。
見た目の面から治してよかったという声は後を絶ちません。
また、活舌の改善や噛み合わせの改善にも役立ちますので、数年前の自分と比べて生活が変わったという方もいます。活舌が悪いと人と話すことが億劫になったり、噛み合わせが悪いと食べるご飯を選んだりします。私生活の改善にも効果抜群です。
反対咬合は、程度や年齢によっては自分で治すことも可能です。上の歯と下の歯が同じぐらいの位置にある場合や、成長期の子供の顎全体の筋肉や骨が未発達の時に、常に意識をしたトレーニングを行えば自分で治せる可能性があります。
このトレーニング方法は、お医者さんによって様々な方法があるので、自分で判断して行わず、お医者さんの判断で行うようにしましょう。
また、割り箸を使った治療法があると聞いたことがあるかもしれません。しかし、こちらの方法は初期段階や成長期の子供の場合であれば軽減する可能性がありますが、遺伝的な問題の方には効果がみられることがほとんどありませんのでご注意ください。
最初から自分で判断し独自のトレーニングを行ってしまうと、治療費用や通院の手間はかかりませんが、間違った方向に進んでいる可能性もあります。
よく聞くのは、「奥歯で噛むようにしている」「顎が奥にずれるように気づいたときは手で押さえている」。このような方法は中々効果がでない上に、長い年月をかけて常に意識していないと分かりません。
反対咬合は様々な原因があるので、最初はクリニックできちんと診断を受けて、お医者さんからどの程度の反対咬合であるかの程度を聞きましょう。その上で、適切な治療を行うことが大切です。
乳歯が生えた時に反対咬合の生え方であれば、永久歯に生え変わった時に、反対咬合が治って生えてくる可能性があります。
大人になってからの反対咬合は残念ながら自然に治ることは少ないです。悪癖によって反対咬合になった人で、悪癖を治せば治るわけではなく、下顎の発達や筋肉の発達など、様々な因果関係があるので自然に治ることは難しいです。
反対咬合の治療には大きく分けて3つの治療方法があります。それぞれのメリット・デメリットと、治療期間と費用について解説いたします。
マルチブラケット矯正とも言います。歯科矯正といえば、こちらの方法を思い浮かぶ人が多いです。ワイヤー矯正は、ブラケットという素材を歯の表面に取り付け、そのブラケットにワイヤーを通します。
期間をあけて、歯並び全体を見ながらワイヤーを何度も調整して矯正を行います。反対咬合では、下の歯を抜歯し、できたスペースを奥側に引っ張り、下の歯全体を奥に引っ張る方法が多いです。
メリット
デメリット
矯正期間が2年ほどかかります。
上顎矯正 50万円~(税抜)
裏側(下側)矯正 80万円~(税抜)
マウスピースを作成し、歯にはめて矯正する方法です。形が少しずつ違うマウスピースを期間ごとに交換して装着します。装着時間が一般的に1日20時間以上は必要です。痛みが少なく、矯正していることが目立ちにくいので人気の矯正方法です。
メリット
デメリット
治療期間 半年~1年
インビザラインフル(マウスピース矯正)
奥歯も含めた全歯適用
80万円~120万円(税抜)
インビザライン Go(マウスピース矯正)
前歯部適用
全顎40万円(税抜)
片顎32万円(税抜)
上記のワイヤー矯正やマウスピース矯正で治せるのは歯並びです。外科矯正では重度の反対咬合の方の治療法として使われています。
方法としては、顎の骨を削って下顎を奥の方へずらす方法や、上顎を前に出す方法などがあります。手術がおわったあと、顎をずらして嚙み合わせが悪い状態なので、ワイヤー矯正やマウスピース矯正が必要です。
メリット
デメリット
手術は1日で終わりますが、腫れや痛みが治まるのに1週間はかかります。
術前の期間と、矯正期間を合わせて2〜3年ほどかかります。
一般的に顎の骨を削る手術150万円~(税抜)
これにプラスしてワイヤー矯正やマウスピース矯正の費用がかかります。
反対咬合を放っておくと、見た目も悪くなるうえに生活に支障をきたします。自己判断で治すことは難しく、お医者さんにしっかりと相談して、正しい治療法で治すことが重要です。
反対咬合は、矯正や治療が早ければ早いほど、矯正期間や治療期間が短くなります。
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