公開日: 2023年5月12日
呼吸には、鼻呼吸と口呼吸があります。呼吸は絶えず繰り返されてあまり意識しないことが多いですが、口呼吸が健康に良いことは、近年メディアで取り上げられる機会も多いです。実は、口呼吸には多くのメリットがあります。
健康面や歯並びにも影響があります。この記事では、口呼吸が体に与える影響について解説します。歯並びが原因で口呼吸になることがあります。矯正することで、どのようなメリットがあるのかについても詳しく解説します。
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呼吸は鼻もしくは口を通して、空気を取り込むことです。鼻づまりやほかの原因で、鼻で呼吸せずに口から空気を取り入れ、吐き出すことが口呼吸です。吸う息や吐く息のどちらかでも、口から行われているのであれば、それは口呼吸といえます。
普段、呼吸は意識をせずにおこなっています。口呼吸の原因が噛みあわせにある場合もあります。また、自分は鼻呼吸をしていると思っていても、意外に口呼吸になっている場合があります。口が閉じない「口唇閉鎖不全」に原因があり、自分では気づいていない場合もあります。
子どもは、口輪筋などの表情筋の発達がまだです。このことは、口唇の発達も未成熟であることを意味します。こういった理由で、乳幼児は口呼吸になりやすい状況があります。そのため、乳児期に口呼吸の癖がついてしまうことがあります。欧米では、このような口呼吸の習慣をつけないためにも、おしゃぶりを乳児に積極的に使用します。
人の本来の呼吸は鼻呼吸です。鼻には鼻毛が発達していてごみ等が体内に侵入するのを防いでいます。また、粘膜で保護されています。鼻呼吸は鼻腔を通る分、空気が移動する間に、自然に加湿もされています。このような人体の構造を考えると、口呼吸よりも、鼻呼吸のメリットのほうがおおきいといえます。
前項では、口呼吸が、本来の人の呼吸の方法と異なることを解説しました。
以下では、口呼吸がどのような影響を身体に与えるのか整理していきます。
呼吸で口からとりこんだ空気は、気道を通り、肺へ移動します。口呼吸では、直接口から異物が気道に入り込む可能性は、鼻呼吸よりも高くなることは明らかです。目に見える異物だけでなく、細菌やウイルスもそこには含まれます。
そして、口を開けたまま呼吸することで、物理的に口の中が乾燥します。口の中は普段唾液の分泌があることにより湿った状態になります。
この唾液は消化を助けてくれますが、それだけでなく、唾液が口の中にあることで、細菌やウィルスが口の中にとどまり続けることを防いでいます。
この唾液機能を自浄作用や粘膜保護作用といいます。唾液が持つ自浄作用や保護作用が口呼吸では下がります。自浄作用が下がることにより、細菌やウイルスが口の中にとどまると、増殖しやすい環境になるといえます。
虫歯や歯周病は、それぞれ細菌によっておこります。歯磨きやうがいは、虫歯菌や歯周病菌を取り除くために行います。
しかし、歯磨きやうがいで一時的に菌を取り除いても口呼吸では、それらの菌が増殖しやすくなる状況です。そのため、口呼吸では自浄作用や保護作用が下がるため、虫歯や歯周病菌のリスクが増えるのです。
口呼吸が習慣化して癖になって、常に口の中が乾燥すると、ドライマウス(口腔内乾燥症)の原因になります。ドライマウスは薬の副作用として起きたり難病が原因で起きたりします。ですが口呼吸が慢性化していることからもドライマウスが生じます。
ドライマウスには、以下の自覚症状があります。
特に内科的な病気がない方やお薬を内服していないのに、ドライマウスの症状がある方は、ドライマウスを生活習慣から改善することも可能です。口呼吸をしないように意識することや飲酒量を減らして水分補給をこまめにすること、ストレスを減らすことも重要です。
キシリトールガムを噛むことも唾液の分泌を増やすのに役立ちます。また、ガムを噛んでいる間は、必然的に口が閉じられ鼻呼吸になることが増えます。
口呼吸では口臭も発生しやすくなります。唾液の自浄作用が減ることにより細菌が増殖すると臭いの原因になります。また、唾液の粘つきが多いことも臭いの原因になりやすいといえます。
口臭は自分で気がつきにくい分、気をつけている方も多いです。せっかく歯磨きをきちんとしても、口臭がする場合には呼吸の仕方に注意してみることもよいでしょう。
口呼吸が習慣化されていると口腔内が乾燥しやすく、細菌が増殖しやすいことを説明しました。唾液の自浄作用が少なく、不潔になりやすい口の中では、悪玉菌の増殖が目立ちます。口の中の菌には健康に害を及ぼさない良いものも含まれます。しかし、不潔になりやすい口の中では、悪玉菌が優勢に働いてしまいます。
唾液の中の成分には、抗菌作用として働くIgA抗体が多く含まれます。このため、唾液が減少することは口の中のIgA抗体の総量が減ることを意味します。
結果として、食べ物などに混じって侵入した細菌やウイルスが増殖しやすくなります。この増殖した細菌やウイルスが、気管支や喉で炎症を起こして風邪をひきやすくなります。
口呼吸が癖になっていると、常に口があいている状態になります。よく乳幼児が口をポカンと開けている姿を見かけます。口呼吸が癖になっていると、口の周りの筋肉が衰えている可能性があります。そして大人でも、無意識にこのような表情になっていることがあります。
口呼吸が癖になっていることによって表情筋、特に口輪筋が筋力低下を起こす可能性があります。乳幼児期から口呼吸の癖がついていると、舌の筋力も弱く咀嚼の力が弱い場合があります。見た目としては、しまりのない口元の印象になる可能性があります。
普段から口を閉じて鼻呼吸をすることで口輪筋つまり口の周りの筋肉が鍛えられます。ちょっとしたこういう注意をすることで、口元のたるみ防止になります。口輪筋が衰えないことはフェイスラインを綺麗に見せることにも役に立ちます。食事をするときにもしっかりと噛む力を保つことができます。このことは、聞き取りやすい発音にも役立ちます。
口呼吸が歯並びに悪影響を与える場合があります。口呼吸が癖になっていることで、舌のおさまる場所が正しくないことが原因で歯並びが悪くなります。舌は、上顎の裏に収まるのが正しい位置です。上顎の裏で歯には当たらない場所に、舌が触れている状態です。
舌が下顎の低い位置に収まっていることを、低位舌といいます。口呼吸が癖になり、舌の筋肉が衰えていると低位舌になりやすいでしょう。この場合、不正咬合や滑舌の悪さが生じる場合があります。
また、上顎の前述したスポットではなく、前歯に舌が常に当たっていると八重歯や叢生の原因になります。
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に無呼吸を起こすことで、体内の酸素濃度が低下する疾患です。体内の酸素濃度が低下することで、眠りの質の低下などの健康被害が生じます。
口呼吸が癖になっていると、睡眠中も口呼吸になりやすいでしょう。そのような場合、睡眠中に舌が落ち込みやすくなります。舌が落ち込むことで、気道を塞ぐため無呼吸が生じます。この舌の落ち込みのことを、舌根沈下といいます。
睡眠時無呼吸症候群の原因は口呼吸だけではありませんが、慢性的に口呼吸を続けることによって、リスクが高まります。
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口呼吸が体に与える影響を見てきました。鼻呼吸をすることのメリットが、お分かりいただけたのではないでしょうか。この項目では、矯正を行うことのメリットについて紹介していきます。
口が閉じない「口唇閉鎖不全」などの場合、矯正を行うことによって、鼻呼吸がしやすくなります。また、矯正そのものにより歯列が整い歯磨きをしやすくなります。
歯磨きがしやすくなることによって虫歯や歯周病のリスクが軽減できます。噛み合わせも改善されて、舌のおさまる場所の癖も改善する機会になります。また、矯正後の後戻り防止のためにも、歯科医師からは口呼吸をおすすめされます。
口臭は自分では気づきにくい症状ですが、口臭の程度は口だけでなく、体の健康のバロメーターともいえます。
鼻呼吸をすることで、口の中の細菌やウィルスの増殖が抑えられます。口の中の自浄作用が維持されることで、口臭を改善することができます。
風邪予防には、手洗いやうがいが大切です。それに加えて、鼻呼吸をすることで、口の乾燥を防ぎます。そうして、唾液の持つ抗菌作用を口の中に維持することができます。口呼吸を鼻呼吸にすることで風邪をひきにくくなります。
どのように口呼吸の癖をなおし、鼻呼吸にすることができるのか整理します。
呼吸法であえて口呼吸をする場合を除いて、普段から鼻呼吸を意識することが大切です。毎日の積み重ねで、少しでも口呼吸になっていないか気づく瞬間が大切です。
その際には、自分の舌がどこの場所に収まっているかについても気にしてみるとよいでしょう。こういった習慣が、矯正後の歯列の後戻り防止にもなります。
口の周りの筋肉を鍛える体操をすることも有効です。また、よく噛んで食事をすることや口の周囲をほぐすマッサージをすることでも過剰な筋肉の緊張が和らぎます。
以下に口周囲のマッサージや体操方法について整理します。
耳下腺マッサージ;ほほの顎の関節周囲を指3本で優しく、くるくるとマッサージします。
顎下腺マッサージ;耳の下の顎の関節でくぼんでいる部分をくるくると顎に向かってマッサージします。
舌下腺マッサージ;あごの下をやさしく数回押してマッサージします。
舌をみぎのほほ内側に突き出し、次は左側に突き出します。
つぎに口を閉じた状態で、ぐるりと一周なぞります。これを数回繰り返します。
口を閉じて、大きく膨らませます。次に、口をすぼめて前に突き出します。
これを数回繰り返します。
普段から口周りの表情筋を使うことを意識することも大切です。よく話すことでも、筋肉が衰えないようにすることで口を閉じやすくなります。
寝ている間に口があいてしまい、結果的に口呼吸になることを防ぐためにテープで口を塞ぐこともあります。口閉じ専用のテープが市販されています。
これらのテープを使用する際には、粘着力が強すぎると皮膚が傷つく恐れがあるので注意が必要です。敏感な肌の方は、特に注意が必要でしょう。
というわけで、今回は口呼吸が体に及ぼす影響について詳しく解説してきました。矯正で歯並びを改善する事のメリットについても解説しました。
平均寿命が延びた現代では、歯をなるべく健康に保ち、食事を食べることの価値が大きくなっています。矯正は費用のかかることではあります。しかし、歯並びを整えることが、健康に与えるメリットも大きいといえます。また、矯正を行うことで、見た目が美しくなることの満足感も大きいです。
歯を整えることによって、表情に自信が持てるほかにも、健康にも良い影響があります。まずは、ご自身の歯並びや嚙み合わせについて調べてみてはいかがでしょう?美しい歯並びを手に入れて、きれいな見た目に変身してみませんか?
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