マウスピース矯正で過蓋咬合は治せる？メリットやデメリットも解説

公開日: 2023年5月1日

マウスピース矯正で過蓋咬合は治せる？メリットやデメリットも解説

歯の噛み合わせが悪い、前歯が大きくて下の歯が見えない、そのような事にお悩みの方は過蓋咬合の可能性があるかもしれません。

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過蓋咬合とは？

まず過蓋咬合とはなんなのか、あまり聞き馴染みがない単語ですので説明します。

読み方は「かがいこうごう」と読み、別名をディープバイトと呼ばれます。

数ある不正咬合の一つで、症状は歯を噛み締めた時に下の歯が見えなくなるくらいに上の歯が覆い被さり発達した状態のことを言います。

過蓋咬合の原因と影響

次になぜ過蓋咬合の原因とそれによる影響を説明していきます。

原因

上の歯が大きく発達してしまう原因は様々ありますが、遺伝的に顎が小さく、アンバランスな顎で成長してしまう先天的な例が挙げられます。

また、幼少期に奥歯が虫歯になりさらに治療が遅れたことで奥歯の噛み合わせが悪いまま放置してさまった。また、歯軋りや強く食いしばってしまうことで奥歯がすり減ってしまうなどが原因に挙げられます。

影響

歯への影響

噛み合わせが悪い事による影響は様々な不調をもたらします。

一つは出っ歯になりやすいです。噛み締めの際にしての歯が上の歯を押してしまい上の前歯が出っ歯になりやすいです。

二つ目は歯自体が脆くなる事です。食いしばる力が強いと歯にストレスがかかり、奥歯がすり減ってしまう他、虫歯治療で使う詰め物やインプラントなどを歯の力で壊してしまうことがあります。

顎関節症

顎の負担が大きくなるため口が開きづらくなる・口を開けた時に痛みが出るなどの症状が出る状態のことです。ひどい時は会話や食事も苦痛になります。口を開けた際に、顎やエラ付近がカクカク音が鳴る人は要注意サインです。

身体への影響

日常的に食いしばる癖や歯ぎしりの癖がある人は、強く食いしばってしまうため歯や筋肉を酷使します。噛む力とは予想よりはるかに強く、更にこめかみ付近や顎、エラ部分の筋肉を使うため、筋肉の緊張や疲労で頭痛を誘発することが多いようです。

また、過蓋咬合は笑った際に歯茎がかなり見えるガミースマイルになりやすいです。

日常生活にも支障が出る上に、歯や口元だけでなく様々な身体の不調を招く危険性がある過蓋咬合は改善すべきものであると言えます。

過蓋咬合を改善するには

改善するには何がいいかというと、やはりクリニックで診察し、治療することが一番いいかと思

われます。意図的に歯を噛み締める癖を無くすことなどは大事にはなってきますが寝ている時の歯ぎしりは自力ではどうにもなりません。根本的な原因と症状を回復させることがいいでしょう。

矯正方法は一般的なワイヤーの矯正の他にマウスピース矯正もあります。次に今回のテーマでもあるマウスピース矯正について説明していきます。

マウスピース矯正

マウスピース矯正とは、透明なマウスピース型の装置を使用した矯正方法です。透明なので目立たず自然で、周囲の人に矯正がバレにくいのが特徴です。

過去はワイヤー矯正と比べてやや歯を動かす力が弱く、治療時間もかかったマウスピース矯正ですが、最近では技術が上がり、ワイヤー矯正と比べても遜色のない矯正力を持っています。

尚、マウスピース矯正には種類がいくつかあるのですが、インビザラインと呼ばれるものが最も一般的です。世界中で800万人以上の治療実績があり、矯正先進国として知られるアメリカやカナダでは、およそ70%以上の歯科医がインビザラインを採用しています。

マウスピース矯正の中で治療実績が最も多く優秀とされているのが、このインビザラインです。

マウスピース矯正で過蓋咬合を治せるの？

こちらは結論から先に言いますが、過蓋咬合はマウスピース矯正での治療で治ります。

過蓋咬合の治療方法はマウスピースで奥歯を引っ張り出し、移動をさせながら奥歯と前歯の噛み合わせを調整し正常の噛み合わせに戻します。

マウスピース矯正のインビザラインには様々なアタッチメント機能があるため、歯科医師のカスタマイズでその人に合った治療ができます。

その中でもバイトランプという専用アタッチメントがあります。どのようなものかと言うと、マウスピースに前歯部分の裏についた突起があり、口を閉じた時突起が下の歯にあたるようになります。この機能によって強く噛み込めないようになります。

ただし、症状によることもあるので、いくらアタッチメント機能が豊富でもマウスピース矯正だけでは十分に治せないケースもあります。マウスピースと同時にワイヤー矯正をしたり、抜歯などの可能性も十分にありえます。

どの歯列矯正でも言えることですが、歯の生え方や大きさ、骨格には個人差がある為、歯科医師と十分に相談することが重要です。

ここまで治療について説明していきましたので、次はマウスピース矯正のメリットとデメリットについても解説していきます。

マウスピース矯正のメリット

メリット１目立たない

１番のメリットはここにあると思います。従来のワイヤー矯正は話したり笑ったりするとどうしてもワイヤーが目立ってしまいましたが、マウスピースの場合透明なのであまり目立ちづらいというメリットがあります。人前で話す際や、接客業の方も目立つ事なく歯の矯正ができます。

メリット２取り外しができて負担が少ない

食事の際やどうしても外さなければならない場合などがありますが、マウスピース矯正の場合取り外しが可能です。これにより食事もストレスなく行えるほか、しっかりと歯磨きもできるため、

矯正による負担がとにかく軽いです。

また、マウスピース矯正は痛みの少ない矯正法で矯正にある歯の痛みも最小限に抑えられます。

メリット３通院が少ない

マウスピース矯正は通常の矯正よりも通院の回数が少なく、2ヶ月に１回程度です。通常のワイヤー矯正は2〜３週間に一度通わなければいけないため、仕事や子育てで忙しい方には、とても嬉しい点といえます。

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マウスピース矯正のデメリット

デメリット１長時間の装着が必須

マウスピース矯正は、長時間（20時間以上）装着する必要があります。

「取り外しができる」メリットの裏返しとして、長時間装着するには矯正される方の努力が必要となります。使用者本人の努力によって治療効果が左右される、という点が大きなデメリットの一つと言えるかもしれません。

ただ逆に考えれば、必ず装着することを徹底していれば効果はしっかりと現れるので、食事や歯磨きの時、お仕事でどうしても必要な時の短時間以外は常に装着し、マウスピースを極力外さないようにすることを意識すれば解決できます。

デメリット２すべてのケースには対応できない

マウスピース矯正では技術の向上により難しい症例でも対応は可能です。ですが骨格であったり、症例が深刻な場合はワイヤー矯正の併用、骨を削るなどの手術が必要になることもあります。ただしこれは他の歯列矯正などでもあり得るケースです。

費用や期間はどのくらいかかる？

メリットやデメリットについて解説したので、次は気になる費用と期間について解説します。

まず費用は80〜120万円が相場です。通常のワイヤー矯正が60〜150万円なので、少しお高めな費用になります。

次に治療期間は2年〜2年半程が目安です。過蓋咬合は歯の動かし方が難しく、矯正の期間を要する場合が多いです。また、個人差はあるものの、マウスピースだけでは難しい場合は他の治療法も同時に使用するケースもあります。

年単位の治療になるため治療は長期になると考えた方がいいです。

マウスピース矯正はどんな人にオススメ？

ここまでマウスピース矯正についてまとめてきましたがどのような人にオススメなのか再度振り返ってまとめてみましょう。

見た目を気にされる方

マウスピース矯正は透明で矯正っぽさが周囲からわかりづらいため見た目を気にされる方には向いています。通常のワイヤー矯正はやはり笑った時や喋る時にどうしても目立ちます。目立たせたくない人向けに歯の裏側にワイヤー矯正をする方法もありますが、この場合最安で70万円ですので、マウスピース矯正よりも価格が高くなります。

マウスピース矯正はワイヤー矯正のいいとこ取りなので、綺麗な歯並びにもなる上に、目立たないので、女性はお気に入りの口紅などをオシャレを思い切り楽しめるところも魅力などではないでしょうか。

継続できる人

マウスピース矯正は取り外しができるため利便性があるものの継続しなければ意味がないものになります。ほぼ1日中使用し、欠かさずつけることが本当に大事です。これを面倒に感じる人にはあまり向いていないかもしれません。ですが、歯磨きは毎日必ずするものですので、同時にマウスピースを着用するなどの習慣をつければ、マウスピースのつけ忘れを減らせます。