公開日: 2023年4月17日
見た目もキレイで、まるで自分の歯のように噛めるため、昨今治療する患者さんが増加しているインプラント治療。
ブリッジや入れ歯と違い、一般的に寿命も長くメリットが多い治療として有名です。
良いことだらけに見えるインプラント治療ですが、実はインプラント術後のメンテナンスを怠るとトラブルが出やすいことはご存じでしょうか?
本記事では、
について解説していきます。
インプラントのメンテナンスをする重要性をよく知り、口腔内で長く快適に使えるようにしていきましょう。
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インプラント治療は、顎の骨の中にインプラントを埋め込んで終了ではありません。インプラントを長持ちさせるために最も重要なのがメンテナンスです。
なぜメンテナンスが必要なのか解説していきます。
インプラントをメンテナンスする最大の理由は、インプラント周囲炎の予防です。インプラント周囲炎とは、インプラント周りの健康な組織に炎症が生じ、歯周病のような症状を引き起こす病気です。
毎日の歯ブラシだけでは、インプラント周りの汚れは完全に落とせません。原因はインプラントと自分の歯ぐきの隙間は狭く、歯ブラシの毛先やフロスは入りづらいからです。
食べかすは放置すると、プラークという細菌の塊になりインプラントの周りに付着します。歯ブラシでプラークが落とせれば問題ありませんが、落とせない箇所は次第に固い汚れになります。
そして、インプラント周囲炎を引き起こし、最悪インプラントが脱落するケースもあります。
インプラントはいくつかの部品からなる装置です。
よって、使用年数が長くなったり、歯ぎしりなど余計な力がかかると部品の破損や緩みが起きる場合も少なくありません。
したがって、定期的に使用しているインプラントを確認し破損などのトラブルを回避していきます。
メンテナンスでは、患者さんの口の清掃状態を歯科医師および歯科衛生士が確認します。
そして、歯ブラシが届いていない部分、汚れがたまりやすい部分を見つけ、個人にあった歯みがき方法を提案します。
すると、自宅でのセルフケアが上達しインプラントを長く健康に使用できる手助けになります。
歯科医院でのメンテナンスは、歯科医師および歯科衛生士が行います。
インプラント部分専用の器具を使用し、セルフケアでは落とせなかった汚れを落としていきます。
メンテナンスを怠るとインプラントの寿命が縮まります。メンテナンスを怠った際に起きるトラブルを解説していきます。
メンテナンスを怠ると、インプラントの周りに歯周病のような症状を引き起こすインプラント周囲炎のリスクが増加します。
いかに念入りにセルフケアを行っても、インプラント周りの汚れは落とせません。蓄積していく汚れの中には、歯周病菌を含む多量の細菌が含まれており、次第にインプラント周りの歯の組織を攻撃し始めます。
歯周病菌は歯の周りの組織にダメージを与え、歯ぐきの腫れや出血を引き起こす原因になる菌です。そして最悪の場合、インプラントを支えている骨が吸収していき、脱落を引き起こすことも考えられます。
インプラントは人工物です。そのため、間違った使い方をすると機能不全に陥り、きちんと噛めなくなってしまいます。
例えば、インプラントの部品が緩んでいるにも関わらずメンテナンスを行わなけば噛んだときに痛みが生じることもあるでしょう。
また、インプラント部分に歯ぎしりなどの余分な力がかかっているにも関わらず、メンテナンスせずに放置するとインプラント部分の歯が壊れてしまう恐れもあります。
高い治療費を支払うインプラント治療。
可能な限り長く健康にもたせたいと考える人も多いでしょう。
ここでは、インプラントの寿命を延ばすためのポイントを解説していきます。
毎日の歯磨きでは落とせない汚れを落とし、インプラント周囲炎を予防するためにも定期的なメンテナンスは重要です。
そしてメンテナンスを継続すれば、事前にトラブルを防げるためインプラントの寿命を延ばすことにつながります。
噛み合わせや、歯ぎしりなど余計な力がインプラント部分にかかると寿命が短くなります。
異常な力は、インプラント自体の破損を招くだけでなく、インプラントを支えている骨や周りの歯ぐきの炎症を引き起こす原因にもなるからです。
したがって、マウスピースを使用したり、嚙み合わせ治療を受けインプラントへの負荷を減らしましょう。
喫煙をしていると、していない人に比べインプラント周囲炎のリスクが高まります。
インプラント周囲炎は悪化すると、インプラントを支えている骨が吸収してしまう病気です。
インプラントの寿命を延ばすためには、まず禁煙から始めましょう。
さらに詳しいインプラントの寿命に関してはこちら。
インプラントの寿命はどのくらい?寿命の延ばし方と寿命がきた時の対処法
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実際、歯科医院ではどのようにメンテナンスが行われているのでしょうか。メンテナンスの内容と流れについて説明していきます。
メンテナンスはインプラント部分だけでなく、口の中全体をチェックし検査や清掃を行っていきます。メンテナンス内容は歯科医院によって異なる部分もありますので、詳細はかかりつけ歯科医院にお問合せください。
インプラントと歯ぐきの間の深さを専用の器具で測定していく歯周ポケット検査を行います。インプラント周囲の組織に炎症が起きていると、歯周ポケットの深さは深くなり、出血を伴う場合もあります。
インプラント周囲の歯の組織の健康状態を確認するために重要な検査です。
インプラントは、インプラント本体と顎の骨が結合しているのが正常です。したがって、通常インプラントに動揺は見られません。
しかし、インプラントの部品が破損している、顎の骨とインプラントが離れかかっているとインプラントに動揺が見られ始めます。
インプラント脱落などのトラブルを事前に防ぐためにも大事な検査です。
インプラントに異常な力が加わり続けると、インプラントの破損やインプラントを支えている骨が吸収する恐れがあります。
噛み合わせのチェックの際は、咬合紙とよばれる赤または青の紙を噛んでもらい、強くあたっている部分がないか確認します。そして、強く当たっている部分に関しては、人工歯を削るなど調整していきます。
また、歯ぎしりなど癖がある場合はマウスピースを作成し、インプラントに負担がかからないように工夫します。
インプラント周囲炎の初期症状は歯ぐきの腫れや出血です。
インプラント周囲炎は歯周病と同じく、明らかな痛みを伴わない場合が多いため自覚症状が少ないのが特徴です。そのため、歯科医院でメンテナンスを行わないと早期発見することができず、進行するリスクが高まります。
また、インプラント周囲炎は通常の歯周病よりも進行速度が早いため、自覚症状がでてきたときには手遅れの可能性もあります。
したがって、歯科医院で定期的にメンテナンスすることはインプラントを健康に保つのに重要な役割を果たしているのです。
次に、メンテナンスの流れに関して解説します。
レントゲン検査は、毎回のメンテナンスでは基本的に行いません。歯科医院によって期間が異なるため、詳細はかかりつけ歯科医院にお問合せください。
メンテナンスではインプラント部分だけではなく、口の中全体を診ていきます。
例えば、以下のような項目です。
定期的にメンテナンスを行っていると、インプラントがどのような経過を辿っているのかわかるので、トラブルが起きたときにもすぐ対処できます。
顎の骨に埋まっているインプラント本体と、支えている骨の状態を確認するために、定期的なレントゲン検査を行います。
上記の項目をみながら、インプラント周囲の歯の状態も確認していきます。また、上顎にインプラントがある場合は、鼻の横にある上顎洞に炎症がないかどうかもチェックします。
口の中の清掃状態を確認した際に、特に汚れがひどかった部分を中心に、個別に歯みがき指導を行います。
自分に合った歯の磨き方を知れば知るほど、セルフケアの質が上達し結果的にインプラントの寿命を延ばすことにもつながります。
歯磨きでは落としきれない、歯やインプラント周囲の汚れを専用の器具を使ってクリーニングしていきます。
専用の薬剤や器具を使うと、歯の表面や歯と歯ぐきの間の汚れを落とすことができるため、インプラント周囲への細菌付着を防止できます。
また、インプラント周囲の汚れがとくにひどい場合は部品を外して分解洗浄することもあります。
十分なセルフメンテナンスをするには、歯ブラシによるブラッシングだけでは不十分です。フロスなどの補助清掃用具を効果的に使い、セルフメンテナンスの質を高めましょう。
もし、使い方がわからない、難しい場合はメンテナンスの際に歯科医師や歯科衛生士に相談してみてください。
自分の歯や歯ぐきの状態にあった歯ブラシを使い丁寧にブラッシングをしましょう。
歯1本ずつを磨くようなイメージで行うと効果的です。また、歯の付け根は、歯ブラシの毛先が歯と歯ぐきの隙間に入り込むような角度で磨くと汚れが取れやすいです。
電動歯ブラシを使用している場合は、ゴシゴシ動かさず歯に沿って移動させるようにしましょう。
磨き残しが多い部分は人によって異なります。メンテナンスのブラッシング指導のときに説明されたことを思い出し、繰り返し練習するのが望ましいです。
タフトブラシとは、毛先部分が小さい歯ブラシのことを言います。
インプラントは、自分の歯ぐきの上に人工の歯が乗っているため、普通の歯ブラシでは隙間の汚れが取りづらいのが特徴です。
そのため、タフトブラシを使ってインプラント周囲の隙間に毛先をすべりこませて汚れを取ったり、人工歯表面の汚れを取るのに使用しましょう。
ただし、強い力で使用するとインプラント周辺の歯ぐきを傷つけてしまう可能性があるため注意が必要です。また、タフトブラシの硬さは硬すぎないものを選びましょう。
歯と歯の隙間や、歯と歯の付け根の間など歯ブラシだけでは届かない箇所には、フロスや歯間ブラシを使用しましょう。
フロスは、隣同士の歯が合わさっているコンタクトとよばれる部位の汚れを取るのに効果的です。
また、歯間ブラシは、歯と歯の付け根である歯ぐき寄りの部位の汚れを取るのに使用すると良いでしょう。
ただし、合わないサイズを使用し無理矢理清掃をすると、歯ぐきを傷つけてしまいます。自分に合うサイズや正しい方法はかかりつけ歯科医院に必ず確認するようにしてください。
洗口液は、歯ブラシがすぐ行えない場合など一時的な汚れの除去に効果的です。
食べかすなどの汚れは、放置する時間が長くなると歯周病や虫歯のリスクが高まります。忙しい人は、洗口液を活用するなどして口腔内を清潔に保つように工夫しましょう。
インプラントのメンテナンス費用は一般的に5,000円から10,000円(税抜き)程度です。
しかし、インプラントのメンテナンスも保険適用外の自費診療になるため料金は歯科医院によって異なります。詳細はかかりつけ歯科医院に確認してみてください。
インプラントのメンテナンス期間は、通常約3ヵ月から6ヵ月に1回程度になります。ただし、何か異常があった場合は、メンテナンスの予約日をまたずすぐ受診するようにしましょう。
最後に、インプラントのメンテナンスに関するよくある質問です。参考にしてみてください。
インプラントのメンテナンスは基本的に保険適用にはならず、自費診療になります。
上記に関連するインプラントのメンテナンスはすべて自費診療になります。
ただし、平成24年4月(2012年)より、病気や事故などによって、広範囲にわたって顎の骨を失ってしまった場合に、国が定めた条件を満たせばインプラント義歯治療が保険適用されるようになりました。
メンテナンスの内容自体は大変ではありません。
埋入したインプラントの定期検診にきてもらい、口の中をキレイにして帰るイメージでOKです。
とはいえ、約3ヵ月から6ヵ月に1度定期的に歯科医院を来院しなければいけないので面倒くささはあるかもしれません。
しかし、メンテナンスに行かない方が、インプラント周囲炎になったり、最悪インプラントが脱落したりなど大変です。
引っ越し等で、かかりつけ歯科医院への通院が困難になった場合はメンテナンス対応可能なことが多いでしょう。
しかし、使用されているインプラントの種類が不明だと断られるかもしれません。引っ越しで、メンテナンスする歯医者が変わる場合は、かかりつけ歯科医院に使用しているインプラントの資料をもらうのが望ましいです。そして、次の歯医者に資料を渡せばスムーズにメンテナンスに移行できるでしょう。
また、歯科医師と合わないなど、個人的な都合の場合はメンテナンス対応してくれない可能性も考えられます。メンテナンスする歯医者を変える場合は、まずセカンドオピニオンで相談すると良いかもしれません。
今回はインプラント手術後のメンテナンスの重要性を解説しました。
インプラントのメンテナンスはインプラント周囲炎を予防するのにとても重要です。インプラント周囲炎予防は、結果的にインプラントの寿命を延ばすことにもつながるため、歯科医師から指示された通り受けるようにしましょう。
また、インプラントのメンテナンスは基本的に保険適用外の自費診療になります。一般的には約5,000円から10,000円(税抜き)の範囲ですが、詳細はかかりつけ歯科医院に確認しましょう。
WITH DENTAL CLINICでは、インプラントに関するどんな些細なご相談にも専門のスタッフが対応しております。
もし、メンテナンスに関して不安なことや、違う歯医者でメンテナンスをしたいなど悩んでいることがございましたらお気軽にお問合せください。
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