公開日: 2023年4月30日
時間と費用をかけて矯正した歯並びは、いつまでもキレイな状態を保ちたいものです。しかし、矯正後に何もしなければ元に戻ることがあり、矯正治療後に使う「リテーナー」が重要な役割を果たします。本記事で「リテーナー」について詳しく紹介します。
\どんな治療内容?料金はいくらかかる?こちらを要チェック!/
歯列矯正の治療が無事に終わり、それまで悩んでいた歯並びが整い嬉しい気持ちになるものです。しかし、矯正後の歯をそのまま何もせずにいると、思いがけない事態を引き起こすことがあります。
歯列矯正装置が外れても、矯正が完全に終わったわけではありません。その後、移動した場所に定着するように、矯正した歯の状態を維持させる期間が必要になります。この期間を「保定期間」といい、この保定期間が大変重要です。
矯正治療を終え、歯並びは整っていますが、歯の根の部分にある骨はまだ固まっていません。そのため、骨が固まるまでは、矯正して移動した歯が動きやすい状態です。
そんな中、何もしないでいると、歯は元の位置に戻ろうとする「後戻り」を起こすことがあります。
歯は動いた後、元あった位置に戻ろうとします。そこで、ように矯正し、美しくなった歯並びを固定させる、保定期間中の治療に「リテーナー」を使用します。保定期間の対応は大切で、ケアを怠り保定がうまくいかないと、せっかく矯正した歯が、元の歯並びに戻ることもあります。
リテーナーは保定期間中に使用し、矯正して移動させた歯が矯正前の位置に後戻りしないように、そのままの状態を保定(キープ)し、後戻りを発症させないために使用される保定装置です。矯正治療後に矯正した歯の位置でリテーナーを装着します。
歯列矯正は矯正期間だけでなく、治療終了後の保定期間中も、リテーナーや治療した歯の状態を確認するために歯科医院で定期的に検診を受けます。保定期間の経過観察は、きれいな歯並びを定着させるうえで欠かせません。
実際には歯科医院により若干異なりますが、一般的に保定期間に入った最初の数か月間は1カ月に1回の通院が必要です。
その後は患者さんの歯の状態により、経過を診ながら、2~3カ月に1度から、半年に1度に間隔が広がっていきます。それでも、通算で2~3年ほどは、矯正後の歯並びが固定する保定期間中の通院が必要になります。
歯列矯正後に、いったん移動した歯が「後戻り」するのはなぜ起きるのか、気になりますね。歯列矯正は、矯正する歯に対して長時間かけて力を加え、歯を押して移動させ、歯並びを矯正します。
その際、移動する歯を支えている骨も徐々に変化していきます。矯正したいスペースに歯は動き、歯が動いたことであいたスペースに新しい骨が形成されます。歯列矯正が終了した直後は、空いたスペースに新たな骨は完全に形成されていません。
そのため、リテーナーを使わなければ、歯は矯正前の状態に戻ろうとし、完全に固まっていない柔らかい骨は、戻ろうとする力に耐えきれず、せっかく矯正した歯が元の場所に戻ってしまうのです。リテーナーは歯の後戻りを防ぐ働きをします。
リテーナー(保定装置)は大きく分けると、歯列矯正用の装置と同じように、自分で取り付け、取り外しが可能なタイプと、歯科医院で取り付ける固定タイプがあります。
取り外し可能なリテーナーは、奥歯のかみ合わせの定着や、すべての歯並びの維持のための目的で使用されます。
一方、取り外しができないリテーナー(ボンデットタイプ)は、前歯部分に固定し、主に矯正した前歯の乱れや、ガタガタだった歯並びの後戻りのために使用します。
リテーナーには、歯の前面から歯を囲んで固定するものがあり、口を開くとワイヤーが見え、リテーナーが目立ちます。最近は、白色や透明なワイヤーもあり、審美面を重要視する方は歯科医師に相談してみましょう。
歯の裏側を固定するリテーナーは目立たず、接客業など対面業務の方々に人気です。歯の裏側のリテーナーは目立たないだけに、安心して口が開けられます。以下で、人気のマウスピース型リテーナーについて詳しく紹介します。
歯列矯正で人気のマウスピースタイプがあります。透明素材のマウスピースで、簡単に着脱ができます。クリアリテーナーインビジブルリテーナーともいわれるマウスピース型のリテーナーの特徴を解説します。
マウスピース型のリテーナーは相手から気付かれにくいメリットがあります。ワイヤー式の矯正装置は目立つため、気になるものです。マウスピース型は、その最大のデメリットが大きく軽減される、審美性が高いリテーナーです。
マウスピース型のリテーナーはいつでも着脱可能なだけに、食事のときや歯磨きのときに、簡単に取り外すことができます。食事もおいしく食べられて、歯磨きもきれいにできます。
取り外しができるマウスピース型リテーナーは、必ず毎日洗浄するようにしましょう。洗い方は、流水で歯ブラシや指で軽くこすって、汚れをきれいに落とします。薄めた食器用洗剤で洗うのもおすすめです。その場合はすすぎを完璧に行いましょう。
ドラッグストアや歯科医院で、リテーナー専用の洗浄剤が販売されています。週に1〜2回、洗浄剤につけておくと、臭いもとれ、雑菌の繁殖も抑えられます。
洗浄での注意点は歯磨き粉を使わないことです。歯磨き粉の研磨剤がリテーナーの表面に傷をつけることがあり、歯磨き粉の洗浄はやめましょう。
マウスピース型リテーナーは歯の表面を全面覆う形で、特に前歯の後戻り防止に効果的なリテーナーです。しかし、耐久性がやや低い点が難点で、取り外しや取り扱いを乱暴に行うと、リテーナーが破れ、再製作が必要になることもあります。
上下の歯列共にマウスピースタイプのリテーナーを使用する場合は、常に2枚のシートが重なった状態で咬むことになり、奥歯を含む歯全体の噛み合わせによくない影響が出ることがあります。
このような場合は、歯科医師とよく相談し、プレート型のリテーナーとマウスピース型のリテーナーを併用することを。
マウスピース型のリテーナーは簡単に取り外しができるだけに、外したままにして長時間放置することがあります。このような状況が続くと後戻りの原因になりかねません。また、紛失にも注意しましょう。
\どんな治療内容?料金はいくらかかる?こちらを要チェック!/
リテーナーには、マウスピースタイプ以外のものもあります。そんなリテーナーの中で代表的なものを紹介します。
ベッグリテーナーは取り外し可能なリテーナーです。裏側はプラスチックで、歯の表側は金属製のワイヤーが歯をカバーし、歯の移動を防ぎ歯の後戻りを防止します。
ただし、ワイヤーが歯の前面に来ることで、ワイヤーが見えます。ベッグリテーナーは抜歯をおこなう歯列矯正の治療後に使用されることが多いタイプです。
ホーレータイプも取り外し式のリテーナーです。裏側がプラスチック、表側が金属のワイヤーで、主に前歯の歯列矯正を施術する場合に使用されるリテーナーです。
ワイヤーは前歯の表面だけを通り、ベッグタイプよりワイヤーの見える範囲は狭くなります。ワイヤーの部分を白色や透明を使い目立たなくするタイプもあります。
リンガルリテーナーは、犬歯間リテーナーともいわれ、左右の犬歯の間の前歯の裏側をワイヤーで固定するタイプです。固定式が基本ですが、上だけ可能なタイプもあります。
歯にきっちりと固定することで、汚れや歯石が付きやすく、虫歯や歯肉炎、歯周炎になることもあり注意が必要です。
歯列矯正は年単位の時間をかけて矯正を行います。さらに、保定期間に装着するリテーナーの期間が、どのくらいかかるのか大変気になります。
歯列矯正の期間が患者さんの症状により異なるように、リテーナーの保定期間も個人差があります。おおよそですが、保定期間は1年~3年ほど。
歯列矯正の器具を外してから、1年間は歯周組織が最も不安定な状態です。この期間は歯が後戻りする確率が高く、長時間リテーナーの装着を忘れないようにしてください。
また、顎の骨の成長や、加齢、生活習慣などによって、後戻りの可能性は個人差があり異なるので、キレイな歯並びを保つためには、矯正したきれいな歯並びが固定するまで、可能な限り長い期間リテーナーを使うことが推奨されています。
一般的には、保定期間が順調に1年間経過し、2年目に入ると装着時間を短縮することが可能になり、睡眠中だけ装着する方も多数です。
3年目以降は矯正した歯の状態を見極めて、安定したことが確認できれば、保定装置を付けない方もいます。ただし、寝るときだけは装着し、将来を見据えて後戻り防止を心がける方も多くいます。
自分で着脱できるリテーナーについては、1日のうち何時間装着すればよいのか、装着時間が気がかりです。
一般的な目安になりますが、保定期間が始まったころには、1日20時間以上の装着がおすすめです。基本的には食事のときや歯磨き以外は、日中・夜間ともに着用しましょう。
その後は、矯正した歯の経過をおこないながら、歯科医師と相談し、少しずつ装着時間を減らしてみましょう。保定の最終段階では夜間のみの装着でも大丈夫です。
リテーナーは矯正治療後に必要になる保定装置です。しかも、長い期間使用します。それだけに、装着中に心がける注意点があります。
マウスピース型のリテーナーなど、着脱可能なタイプは取り外しなどで、繰り返し乱暴に取り扱うと摩耗などが原因することがあります。
特にマウスピースタイプは、素材そのものが薄くて劣化しやすいので、破損する可能性が高く注意が必要です。
破損したらすぐに歯科医院で新しいものに交換しましょう。また、取り外しが効くタイプは置き忘れることがあり、外したときは忘れないよう注意しましょう。
リテーナーを使用する保定期間は、歯並びを維持するために重要です。矯正は治療を開始してから保定期間まで含めると、長い場合は5年~6年が必要になります。
また、歯列矯正は費用が高額になります。それだけに、治療前から歯科医師とよい関係を構築し、よく相談することが重要です。
治療が計画通りに進行しない場合もあり、その都度、相談が必要になります。そのようなケースが発生することも踏まえて、歯科医師とのコミュニケーションは重要で、治療期間中は良い関係を保ちましょう。
保定期間のリテーナー治療については、歯科医師のアドバイスをよく聞き、正しく装着しましょう。指示された決まり事を守れば、矯正した歯並びが安定し、少しずつリテーナーの装着時間も短くすることができ、最終的に歯列矯正した美しい歯が自分のものとして定着します。
リテーナーの料金は気になるポイントです。リテーナーは歯列矯正と同じように、保険が効かず自由診療です。また、料金は歯科医院によって異なります。
そこで、リテーナー治療を開始するときに、費用や調整料など料金の細部まできちんと確認しておきましょう。
実際には、歯列矯正開始前にリテーナーについても詳細に決めておくことをおすすめします。
リテーナーにかかる主な費用は「保定装置料(リテーナー)」と「保定観察料」です。保定装置料は、保定期間に使用するリテーナーの製作にかかわる必要な費用です。あくまで目安になりますが、リテーナーの費用は、上下含めて約6万円かかるのが一般的です。
また、保定装置料を歯列矯正の最初の装置代に含めている医院も多くあります。その場合は、リテーナーの製作や装着にかかる費用を追加して支払う必要はありません。
歯科医院によっては歯列矯正費用に含まれていない場合もあり、再三ですが、保定装置料については、歯列矯正を始める前に必ず確認しておきましょう。
保定観察料は保定期間中に、リテーナーが確実に機能しているか、矯正後の歯並びがどのように変化しているか、矯正後の歯の経過を確認するために歯科医院に通院したときにかかる費用です。
保定観察料は歯列矯正の最初の費用には含まれていないケースがほとんどで、通院ごとに観察料の支払いが必要になります。また、保定観察料も自由診療だけに、歯科医院によって異なりますが、1回3,000円前後が多いようです。
大前提になりますが、患者の治療履歴や治療内容に継続性などの問題があり、歯列矯正治療を受けた歯科医院で保定期間の診療も受けることをおすすめします。
歯列矯正は時間をかけ費用をかけ、自身の努力もプラスして、美しい歯並びを手に入れます。それほどコストをかけて得られたキレイな歯並びも、後戻りしてしまってはそれまでの時間や努力が報われません。
歯列矯正後の美しくなった歯並びをために、リテーナーは欠かせない大切な保定装置です。保定期間のリテーナーを含む歯列矯正を望むのであれば、おすすめの情報があります。WITH DENTAL CLINICは、最新の歯科医療技術で患者様の理想とする美しい歯。WITH DENTAL CLINICは無料カウンセリング予約を受け付けています。ご希望に合った施術を受けることが可能です。まずはホームページを見て、どのような施術が受けられる歯科医院なのか確認してみてください。
\どんな治療内容?料金はいくらかかる?こちらを要チェック!/