公開日: 2023年5月1日
矯正で抜歯するメリット・デメリットについて詳しく解説
歯科矯正治療では、噛み合わせや歯列の矯正などで歯を抜くことがあります。虫歯や欠けてしまった歯、残った歯根などの抜歯なら問題は少ないのですが、健康な歯を抜くことがあります。そのために矯正治療には歯科医師の経験と、充分な知識が必要になってきます。そのために、治療によるメリットだけではなく、デメリットも発生します。この記事ではそのことを説明します。
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歯科矯正治療で抜歯が必要になる理由
歯科矯正を受けると、場合によっては抜歯しなければならないことがあります。抜歯というのは歯を抜いてしまうのですが、どうして矯正治療に抜歯が執拗なのでしょうか。矯正の時に抜歯をする必要があるのは主に次の4つの場合です。
- 顎が小さく歯を矯正して動かすための隙間がない場合
- 上下の噛み合わせが悪い場合
- そのまま矯正すると、口元が出てしまう場合
- 親知らずによって歯並びが悪くなっている場合
こういった場合には仕方なく健康な歯でも抜かなければならなくなります。健康な歯ですから、慎重にやらなければ、抜いてしまってから元に戻すことができなくなってしまいます。歯科医師の経験が必要となるところです。
矯正で抜歯をするメリット
抜歯矯正のメリットは、歯を抜くことによって矯正して歯を動かすための充分なスペースを確保することができます。矯正治療の計画が立てやすくなるのです。
抜歯は矯正後の見た目なども総合的に判断しておこなわなければならないために、歯科医師の経験が必要になってきますから、治療計画をよく聞き、わからないことは何でも質問しましょう。
歯並びをきれいに矯正できる
抜歯することで親知らずを処理したり、充分な隙間を得られるために、仕上がりが綺麗になるという利点がありますから、どうしても歯並びを矯正したいのであれば、医師の説明を受けて治療を任せることも必要です。
矯正で抜歯をするデメリット
抜歯矯正のデメリットは、抜歯後に腫れや痛みがあることがあります。埋没している親知らずを抜いたりした場合には特に痛みがある場合があります。腫れたときは腫れている頬に冷却債を当てるなどして冷やす必要があるかもしれません。
痛みが酷いときは痛み止めを飲む必要もあります。あまり長期に痛みが治まらないようなら、歯科医師に相談しましょう。
もう一つのデメリットは、矯正治療の期間が長くなってしまうことがあります。抜歯することによって歯を移動させる空間ができ、矯正がやりやすくなるのですが、ベストな矯正位置に歯を動かすために空間が広くなってしまい、歯が移動しきるまでの時間がかかってしまいます。
デメリット①抜歯後に歯が腫れるリスクがある
抜歯後に痛みがあったり、腫れてしまうリスクがあります。
デメリット②治療期間が長引く可能性がある
歯を移動させる空間が充分に確保されるのですが、その分移動させるための時間がかかってしまいます。
大人の歯列矯正と子供の歯列矯正でのメリット・デメリットの違い
子供の矯正の場合、矯正治療することで適切な顎の試聴を促し、機能を獲得できる可能性が高いです。非抜歯で治療できる可能性が高くなります。デメリットは治療期間が長くかかることがあります。大人の矯正のメリットは、目的がはっきりしているために、医師のいうことを守り、治療を乗りきることができます。
デメリットは、顎の成長が望めないため、矯正するスペースを空けるために抜歯しなければならない場合が多いものです。虫歯、補綴物(かぶせ物)、欠損歯、歯周病等の存在により、正中線のズレや左右の咬合機能に差を生じての終了となることが多いです。
転勤などで転院を余儀なくされることも多いでしょう。大人と子供の矯正治療のメリットとデメリットはおおよそこのようになります。矯正するのなら、子供の時にやっておいた方が有利なのかもしれません。歯科医師に相談してみましょう。
非抜歯矯正のメリット
従来は抜歯する矯正方法が主流でしたが、近年では抜歯しなくてすむ方法が多く取り入れられるようになって来ました。抜歯しない矯正治療のメリットとはどういったものがあるでしょう。
メリット①健康な歯をそのまま残せる
虫歯や歯周病では無い歯を抜くのは心配になってしまうものです。抜歯する矯正方法は、健康な歯を抜きますから、抜歯しなくてすむのであれば、健康な歯を抜くことのない抜歯しない矯正方法の方が負担が少ないので、おすすめです。場合によって対応できないこともありますから、歯科医師に相談してみることが必要です。
メリット②治療時間が短縮できる
抜歯して歯を動かす空間を確保しなくてすみますから、矯正にかかる期間が短くて、短期間に矯正治療が完成します。もちろん抜歯にかかる費用もいりませんから、安く済みます。
非抜歯矯正のデメリット
抜歯しない矯正方法は、良いことばかりではありません。どんな治療方法にもデメリットがあります。非抜歯矯正のデメリットを説明します。
デメリット①口もとが出っ張る
無理に抜歯しない矯正を行った場合には、横から見たEラインが崩れてしまうことがあります。口元が出っ張ってきて花と顎をつなぐ線が理想的でなくなり、見栄えが悪くなってしまうことがあります。
充分なスペースがないのに無理に矯正しようとすると、押されたかたちになり、出っ張ってきてしまうことがあるのです。そうならないためにも慎重に治療方針を決めていかなければなりません。
デメリット②歯肉が下がる
歯肉が下がる状態を歯肉退縮といいます。歯肉が押されて力がかかり続けると、歯肉に負担がかかり、痩せてしまいます。こうなると、歯の根元が露出して、知覚過敏になったり、虫歯のリスクも多くなります。
歯肉退縮が進んでいくと、歯を支えられなくなって、肌ぬけやすくなってしまいますので、早めの処置が大切です。
デメリット③後戻りしやすい
抜歯をして充分なスペースをとらずに狭い歯並びのまま矯正をすると、矯正後に後戻りすることがあります。
抜歯矯正にかかる費用相場
矯正の治療費は10万円から150万円前後と幅があります。治療法によって違いがありますし、治療場所によっても料金に違いがあります。抜歯する場合は抜歯しない場合に比べて抜歯の本数だけ費用が余分にかかります。
矯正で抜歯するときのよくある質問
矯正するとき、なぜ抜歯しなければいけないのでしょうか。抜歯しなくてすむのであれば、健康的な歯を抜いてしまうようなことはやりたくないのが本当のところです。どうして健康的な歯を抜いてまで矯正しなければいけないのか、疑問に思うかもしれません。
理由は歯を動かして矯正するとき、歯を移動するために必要なスペースが確保できないときに、やむおえず抜歯することになります。
矯正をするメリットは顎や歯並びをきれいにするためだけでなく、虫歯や歯周病の予防など様々な利点がありますので、矯正治療をするとなれば、矯正を成功させるために抜歯しなければ行けない場合があるのです。
矯正のために抜歯した場合、どのくらいの期間で隙間が埋まるの？
抜歯から1日位で、血餅と呼ばれるかさぶたのようなものが抜歯した穴にできます。1週間程度すると肉がついてきて、1ヶ月程度で穴はふさがります。この際、食べかすなどはあまり気にしないようにしてください。
穴に入ったような感じがあっても、軽くうがいする程度で、強くこすったりしないでください。血餅が取れてしまうとドライソケットという状態になってしまい、かさぶたが成長しません。この状態ですと穴が塞がらないのでもう一度歯科で歯の穴に傷をつけて出血させて血餅を作ることをしなければなりません。
抜歯して矯正したら、顔つきは変わるの？
歯が動き、正しい位置に来れば顔つきも変わってしまいます。歯が移動するとかみ合わせも変わってきますから、顎の位置や出っ歯が治るなど効果が出てきます。狙った場所にはが移動してくれなかったとしても、顔つきは変わってきます。
抜歯矯正は保険適用になるの？
矯正治療は基本的には保険適用外ですが、下記のような場合には保険適用になります。
- 「別に厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療
- 前歯及び小臼歯の永久歯のうち3歯以上の萌出不全に起因した咬合異常（埋伏歯開窓術を必要とするものに限る。）に対する矯正歯科治療
- 顎変形症（顎離断等の手術を必要とするものに限る）の手術前・後の矯正歯科治療
なお、これら保険適用される矯正歯科治療を行える医療機関は、厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生（支）局長に届け出た保険医療機関のみになります。
まとめ
矯正治療で抜歯する場合のメリットとデメリット。抜歯しない場合のメリットとデメリット。さらに費用の相場から、保険適用になる場合があるということを書いてきました。保険適用外なのが一般的ですが、適用になる場合もあることがわかっていただけたでしょうか。
矯正には様々なメリットがありますが、どんなことにもそうだと思いますがデメリットも存在します。自分で調べるのもいいかもしれませんが、少しでも不安なことは早めに歯科医師に相談して解決してもらいましょう。
抜歯する矯正のメリットやデメリットも簡単にではありますが説明しました。非抜歯の場合のデメリットも書いてあります。とはいえ、どんな事態が予測できるかなどは専門家でも予測しきれないこともあります。
しかし、専門家なら対処方法を知っていますから、失敗しないためには歯科医師とのコミュニケーションが必要になりますから、よく歯科医師と相談して矯正治療に当たりましょう。
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